オレゴン・デシューツリバーへの旅(4)
2018年 11月 10日


魚からのコンタクトは初日の釣り初め、Oに来た1回のアタリ。それから4日目にOにもう一度のストライク。しかしフライラインを介してつながったのはほんの数秒で、魚を手にすることはできなかった。
釣具屋の姉さんも状況はタフだと言っている。昨日釣れたのは一人だけだったとかなんとか。
何とかして釣りたいのはやまやまだけれど、ここまで何も起こらないと逆に清々しい気持ちになってくる。
それに、旅自体は最高に楽しい。

産卵後で、もうその命を終えようとしているところだったのだろう。
いや、もう一つ大きな収穫が。
スティールと思しき魚影が足元のカケアガリに見えたのだ。私の気配を察してすぐに深みへと逃げてしまったが、その付き場を山立てしてよく覚えておいた。
何より、魚は必ずそこにいるのだという確信が、釣りの自信へとつながる。
いつどんな瞬間にテイクがあってもおかしくないんだと、自分に言い聞かせて釣りを続けるのだが。

それからキャンプ場に戻ると、夕食の準備が待っている。

なんてことはない食材を焼くだけ、混ぜるだけ、かけるだけ。なのに、疲れた身体に染み入る。
旨くないわけがない!

どこがどんな流れになっているか、もうすでに全員が知っているポイントに入る。
俺は上から、じゃあ俺は下流に。最後の期待を込めて川へ散ってゆく4人。

タイムリミットの10時を迎えて、クルマに戻ってきたみんなの顔は一様に笑顔だった。
悔しいことは悔しいけれど、やるだけやったよ。それでも釣れないってことは、俺にはまだ早い、出直してこいってことなのかな。
また来なくちゃな。でも違う国の違う川にもいってみたいしな。
デシューツ・リバー、キャンプ場、そして我らがキャンパーバン。6日間の旅で、そのどれもに相当な愛着が湧いていた。
帰り支度のパッキングをするキャンプ場には、秋の陽射しがやさしく注いでいた。

スティールヘッドはフライフィッシャーが憧れる至高の魚。
そしてそれを狙う釣り人はSteelheaderと呼ばれる。スティールヘッドに心を奪われてしまった人たちだ。
なぜスティールヘッドがそこまで釣り人の心を捉えるのか?
その魅力はきっと実際に釣ってみないとわからないだろう。
それを知るのが私の今回の旅の目的だった。
結局のところ、それは知ることができないままに終わってしまった。
でも半分くらいは味わえたかもしれない。いつアタリが来るのかわからないまま川に向き合うその長い時間。まるで祈りのように繰り返すスカジットキャスト。そして北米大陸の広大な風景の中で、一人ぽつんと水中に立ちつづけること。
さて、一つの旅が終わればまた次の旅が始まる。スティールヘッドをこの手に抱く旅はいったいいつ、どこになるだろう。

最高の旅でした!
Like

スクロールしながら読み進めると、次の写真がちらりと見えてきて・・・・
そこにはマスの鼻が写っているではないですかっ!!「やったのか!?」
・・・しかしすごいロケーションですねぇ。まったく水を感じさせない山肌に、どうどうと滔々と流れる川。
そしてかの魚。何か圧倒的な空気を感じました。
そこにはマスの鼻が写っているではないですかっ!!「やったのか!?」
・・・しかしすごいロケーションですねぇ。まったく水を感じさせない山肌に、どうどうと滔々と流れる川。
そしてかの魚。何か圧倒的な空気を感じました。
>しまねこ5610さん
スティール初挑戦の旅は、厳しい結果に終わってしまいました。
でも世界が広がった感じがすごくして、旅の余韻を楽しんでいます。
それにしてもアメリカ大陸、やっぱりデカい!
スティール初挑戦の旅は、厳しい結果に終わってしまいました。
でも世界が広がった感じがすごくして、旅の余韻を楽しんでいます。
それにしてもアメリカ大陸、やっぱりデカい!
by akisiko
| 2018-11-10 09:28
| 釣
|
Comments(4)