【NZ旅日記 9/10】Hokitika周辺河川
2015年 04月 20日

忘れ物を取りに行っていたNが戻って来るや、「お客さんの中に釣り好きなおじさんがいたよ」と。
ついで現れた小柄な初老の男性。
自己紹介を済ませると、「さて、今日はどこに釣りに行くんだい?」と切り出してくれた。
朝行った川が濁っていたこと、この近辺で知っている川がないことを伝えると、「じゃあ、いいことを教えてあげよう」と。
なんというタイミングで現れた救いの手だろう!
これだから旅は面白い。
ボンネットの上に地図を広げて2人で覗き込み、まずおじさんが指し示したのは昨日おとといと訪れたStyx RiverとArahura Riverだった。
Arahuraはまだ竿を出していなかったから魅力的だったけれど、昨日の雨で増水していることが考えられた。
あの規模の川で増水していたら、フライフィッシングではちょっと太刀打ちできない。
「それならば」と、次なる選択肢を提示してくれるおじさん。どうやら引き出しの数は豊富らしい。
いくつか近場の有望河川を教えてもらうことができた。
フライに関するアドバイスをくれたり、こちらは稚拙な英語なのにかかわらず雑談に応じてくれたりしてとっても優しい紳士的なおじさんだった。
今日が釣りの最終日なんだと言うと、「それなら早く釣りに行かなくちゃ」と我々の出発を促してくれた。
そんなわけでおじさんの素性はわからずじまい。連絡先も交換せずに別れてしまった。

教えてもらった川に意気揚々と向かう。

またもやすでに釣れた気分になって。
天気もいいし、ちょっと寄り道してHokitika Gorgeを見てみる。
思えばずっと川巡りばかりの日々で、観光らしい観光をせずに終わりそうな旅だ。

暗い雲霧林を歩いてから現れるのは、晴天に映える青い峡谷。



遊ぶのも怪我するのも自分次第。日本人も見習ったほうがいい。
最後の2行にはこう書いてあります。「あなたと、あなたの家族の安全は、自己責任です」

この川を登ることをあきらめて移動。

おじさん曰く「Duck Creekは釣るに値しないけれど、狙いは合流地点だ」
おとといバラシたのも、スプリングクリークであるMurray Creekとこの本流との出会い付近だったから、そのアイディアは充分理解できた。
本流に車を停めて昼食。ここから2㎞ほど歩いてそのポイントを目指す。
残念なことに合流地点は、それほど魅力的なポイントではなかった。
増水と反乱を繰り返す川では、ポイントの形状はその都度変わる。
流れと流れがぶつかる小さなエリアに丹念にニンフを流してみたけれど反応なし。

こんな流れの緩い場所のど真ん中で、微動だにせず定位しているヤツはやる気がないに違いない。
それでも身を低くしてチャレンジしてみる。沈木かと見紛うその影は2つ。
フライをフェザントテイル#16一本にしてインパクトを少なく。
魚の上流にキャストしフライが魚の目の前に流れてくるころ、影はふと思いついたように動き出し、そのまま向こうに泳いで行ってしまった。
小さなフライを見て逃げていっているようにしか思えないが、あるいは私の気配やティペットなどを敏感に感じているのかもしれない。
もう一尾のほうにも投げてみたが結果は同じ。

Duck Creekをあるけど魚には出会えず、さらなる移動を強いられたのは午後も遅い時間。
ここから近くて入渓地点がわかっていてパーミッションが要らないところ=Styx Riverに最後の望みをかける。
先日歩いていない区間をとにかく歩いて魚を探した。
渓流にはいい淵が点在していて水もクリア、光量もある。いれば見えるはず。
しかし好ポイントにも魚影は見つからず、陽も落ちてきて川をあがる時間が来た。

それでも見ず知らずの土地で、行き当たりばったりでやってきたわりにはうまくいったと自負できる旅か。
明日からは帰り道。
一日を費やしてクライストチャーチへ戻る。
by akisiko
| 2015-04-20 17:54
| NZ〈2015〉
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