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昨年に引き続いて三陸時代の仲間2人と宮城で合流し、春の宝玉サクラマスを追った。
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川で生まれ海に下るころは十数センチそこそこのか弱い魚。
それが一年の海洋生活で見違えるような太くたくましい筋肉と銀色の衣をまとい、この時期に生まれた川に帰ってくる。
本州においては釣れる確率が非常に低いこの魚。
夢を追うような釣りなのだが…
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水産学を修めた私の仲間たち、さすがというべきか釣りに関しても造詣が深いのだ。
知識と経験とデータから理論を組み立ててサクラマスにアプローチする。
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そんな論理的戦略と長年フィールドで培った直観力が、貴重な一尾を引き寄せた。
釣り始めてから1時間半ほどの出会いであった。
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あまりに早い釣果に、私は大いに期待して竿を振り続けたのだけれど、やはり現実はそれほど甘くない。
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山から吹き降ろす冷たい風や、ときおりレインジャケットを叩く氷混じりの雪。
春が近いとはいえ手足が凍える東北の釣りは、夢を追いかける足並みと同じ速度で去っていって終わりを迎えた。

釣りを終えたとき、今回唯一サクラを手にした友は、どこか遠い目をして川を見ていたような気がする。
手にしたものにしか見えない景色があるのだろう。


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by akisiko | 2017-03-30 20:51 | | Comments(0)

阿寒湖連戦

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連休を作って両日とも阿寒湖に行くことにした。
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気温が高いから釣り人の活性は上がるが、湖面はベタ凪で魚のほうは…
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1日目の課題はドラワカ(ドライワカサギ)の釣り。
初めての経験。あれこれ試してボイルする水面にエキサイトしたけど、フッキングに持ち込むのは難しい。
結局、ストリーマーのスローフォールで50クラスのアメマス。
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ニジも来てくれたが、阿寒の良型砲弾レインボーとは会えずに終わる。
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帰り道、釧路まで遠い寄り道をしてから立ち寄った「ラーメン専門店 つる」。
創業56年の味が、一日遊んで疲れた体に沁みた。
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2日目も季節外れの高気温で釣りはしやすい。
この日はリトリーブの釣りに徹することにして、ポイントとレンジを探りつつ、ひたすらラインを手繰る。
ラインを持つ手にググッと手ごたえがこないかなぁという期待感。そして、その期待を乗せて沖に向けて飛んでゆくライン。
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かなり沈めたところでコンタクト。暗い色の湖水から輝くばかりのサクラマスが現れてくれた。
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どうやら回遊コースだったようで、サイズアップしてもう一尾。
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寒気がやってきては緩み、しだいに冬の力が強くなってゆく。
暖かい陽気で竿を振ることができた11月下旬の釣り。楽しかった!
明日からはまた寒さが戻る模様。

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by akisiko | 2016-11-20 21:39 | | Comments(0)
「俺たちは、あの時のヒカリ」…今回の釣り旅に向けて、仲間のOが名付けた名前。

ヒカリとは、これから海へと下る、まだ小さなヤマメのこと。海で回遊生活をすると大きく成長し、サクラマスと名前を変える。そして産卵のために生まれた川へと帰る。

俺たち3人は北里大学水産学部の同級生。
このたび数年ぶりに再会して、東北を釣ろうということになった。
だいぶ前から連絡し合い、釣り人特有の妄想と憧れと無駄な薀蓄を交えながら、あれこれと計画を練ってきた。
そして、本州の川ではキャッチする難易度の高い、サクラマスを狙おうということになった。

三陸での学生時代はいわばヒカリ。
大学を卒業してから俺たちは社会という外洋に出た。一人は東京で、一人は宮城で、そして私は北海道で生きている。
その3人が再び東北を目指す。まるで育った三陸の川に回帰するかのように。
果たして俺たちはサクラマスになれるのだろうか?
…というのがこのタイトルに込められた思いだ。
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金曜の夜に都内で働くOをピックアップしてそのまま東北道を北上。
宮城のヒカリ、Nの家に着いたのが翌0時。
久しぶりの再会と遠足前の興奮で3人とも浮かれ気味だけど、子供たちが寝ているのでひそひそ話で翌日の作戦やら他愛のないことやらを話し合う。
2.5時間の仮眠ののち、4時に川へ向けて出発!
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Nが探してくれたとっておきの川で、思い思いのスタイルで釣り始める。
適度な水量、適度な川幅、3人がばらけて入るにもちょうどいいサイズのポイント。
Nは調査釣行時に、自身でも初めてのサクラマスをここで釣っている。
期待は高まるばかりだけれど、この釣りはそう甘いものではない。

気が付けば3時間もの間、腰まで水に浸かりながら竿を振り続けていた。
東北の春は思いのほか寒くて、体の芯から冷えてしまった。

旨い味噌ラーメンで体を温めたのち、ポイントを変えて再び川に立つ。
バンクのえぐれはドン深。手持ちのなかで一番重いティップを付けて送り込む。
すると、グンッと止まるような当たり。竿を立てるとグングンと返答がきた。
「きたァァァァァ!!」
思い切り叫んで仲間を呼ぶ私。遠くから走って来る仲間2人。
しかし魚が水面に上がってきたとき、高まっていたテンションが一気に緩んだ。
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笑うしかない展開だけれど、何もないよりはずっといいか。

その後、ポイントをいくつか見て回り、夕マズメは朝イチのポイントで勝負することに。
根気でひたすら川と向き合う。一人だったらとっくにあきらめているころだけれど、みんなの背中を見ていると、俺ももうちょっと頑張るか、となる。

そしてプライムタイム。上流で釣っていたOから突如鋭い声。
「喰ったァッ!」
しかし直後に嘆声。
強いバイトの直後に水面に躍り上がった魚体は紛れもなくサクラマスで、一瞬の手ごたえののちに針から逃れたようだ。

チャンスは目の前にある。
長い時間アタリも何もないと、釣りが雑になる。途切れそうになる集中力を再び手繰り寄せて投げ続ける。
3人ともくたくたのへろへろだけれど、最後の最後まで川に立ちこんだ。
やっぱりこの釣りは甘くない。そしてノーフィッシュのまま終わる。
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N宅でおいしい夕食をいただき、長く、楽しく、一喜一憂な一日を終える。
友とも酒を飲みながら語り合いたいし、子供たちとも話をしたいのだが、なにせ2.5時間の睡眠時間に対して13時間の釣り。
もはや目を開けているのもやっとな状態。朦朧としつつ布団に倒れる。

…そして翌朝4.5時間の睡眠の後、再び出発。
辺りはまだ暗い、眠い、なんだか体が痛い。
意識はまだ昨日の夜にとどまっているけれど、それを引きずりあげて遊びモードにシフトアップする。
ここまで魂を燃やして遊べば悔いはないのだが、やっぱり目当ての魚が見たい!

再びあの川のあのポイント。もうここは3人で攻め尽くして、魚がいるならどこなのか、わかっている。
あとはフライと魚が出会う瞬間を待つために、キャストをし続ける。

川辺が明るくなってしばらくたち、朝マズメも終わろうかというとき、最上流で釣っていたNからの雄叫び。
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地元であり、我々のガイドであり、2週間前にもキャッチした辣腕であり、なにより我らが仲間のNが釣った!
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凄まじい迫力の魚体。
これこそ、太平洋を旅して再び生まれた東北の川に戻ってきた魚なのだ。
そう思うと、俺たちなんてまだまだじゃないか。
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わたしたちは、竿を放りあげる勢いで喜んだ。
なにせ目標は「3人で1尾」だったのだ。
それほどまでに手にすることが限られる魚、サクラマス。
わたしたちの手中に、その魚が横たわった。


その後、私とOはヒットを目指してひたすらにキャストを繰り返した。
川の流れとともに時間が過ぎる。
世知辛い日本社会に生きる俺たちは、それぞれの生活拠点と生活様式を持ちながら、この日の釣りを待ちわびてきた。
この川に立って一緒に釣りをする時間というのは、一瞬つかんでは落ちてゆく砂のようなものかもしれない。
だからこそ、最後まであきらめないでキャストし続ける。

タイムリミットが来て竿をたたんだ時は疲労困憊だった。
3人とも限界まで遊んだ2日間だった。
俺とOのふたりも、やることはやりつくしたという気持ちでいっぱいだった。

たった2日の母川回帰ののち、ふたたび世間の荒波に戻ってゆく3尾のヒカリたち。
(うち1尾ははぐれものだけど)

また遡上しようよ。
そしてひとときの夢をみよう。


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by akisiko | 2016-04-03 20:00 | | Comments(2)