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春の匂い

世はゴールデン・ウィークに心騒いでいるようだ。
私のほうは特に出かけることもなく、やっと到来した雄武の春を楽しんでいる。
潮干狩りに行ったり、庭の土いじりをしたり、もうすぐ始まる山仕事の心配をしたり・・・

川へ出かけてみると、地を暖める陽射しとやさしい風。
あちらこちらでお天道様に向かって芽吹く小さな緑。
あっという間に様変わりした風景にすこし困惑してしまう。
あれだけ大地を閉ざしていた冬はどこに行ったのだろう?
雪が消えたとたん、一斉に動き始めるこの生命力はなんだ?
こいつらに負けてはならん。おれも全力で春を受け止めねば。
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春のトーウツ川はぴりっとした雪解け水で自己浄化中だ

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by akisiko | 2006-04-30 22:46 | | Comments(0)
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雪解けの沢を歩いてみると、様々な芽が顔を出していた。
北海道で「ヤチブキ(谷地蕗)」と呼ばれる山菜が出始めているので摘んでいく。
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切れるような水の中で、可憐な花を咲かせるこのエゾノリュウキンカを採るのはちょっとかわいそうな気がしてしまう。ごめんよ、と思いつつ太い茎をむしり、沢水で泥を落とす。

さっとゆがいてから水にさらし、酢味噌にあえて食べた。
やわらかく、みずみずしい。
長い冬があけて、青い葉をたくさん食べられるようになったことがとっても嬉しくなる味だ。
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by akisiko | 2006-04-25 10:06 | | Comments(0)
さる4月20日は二十四節気の「穀雨」であった。
穀雨とは、暦便覧によれば「春雨降りて百穀を生化すればなり」の頃。
田んぼや畑の準備が整い、それに合わせるように柔らかな春の雨が降る気候ということ。

この日の夜、雄武町では大雨と暴風があった。
久しぶりに聴く雨だれの音。
北海道の畑はまだ眠ったままなのだが、雪をみるみる融かすこの雨は、穀物だけではなくすべての生命に活力を吹き込むものだったのではなかろうか。

近所の川では雪代真っ盛り。雪解けの水が泥濁りとなって川幅いっぱいに溢れている。
この身の切れるような増水の中を、海から戻ったサクラマスが遡上しているところなのだろうかと想像したり。
この先一ヶ月は、川面に釣り糸を垂らすのは無理なようだ。
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by akisiko | 2006-04-20 21:32 | | Comments(2)

ガテン系講習会

私はこの雄武町で林業の仕事に着くことになったのですが、それに先立ってある講習を受けました。

「チェーンソーを用いて行う伐木などの業務従事者安全衛生教育」

という長い名前の講習なのだけれど、この修了証明書がないとチェーンソーを使った仕事をすることが出来ません。

二日間の日程の中、伐倒の基礎やチェーンソーの整備を講義と実技で学びます。

とはいえ、林業の知識なんて何ひとつ、まっさらに知らない私は話を聴いてもちんぷんかんぷんです。
まず林業の専門用語のようなものがけっこうあって、そこから覚えなくちゃ、という感じ。

「大径木 (たいけいぼく)」
「林班 (りんぱん)」
「伐根直径 (ばっこんちょっけい)」
「偏心木 (へんしんぼく)」
「受け口切り」
「かかり木」

など・・・。漢字を見ればなんとなく意味が想像できますが、耳で聞くだけではぴんと来ません。

まぁ、講義を聴いたら仕事の内容がどんなものかイメージが出来たっていうところでしょうか。

実技はチェーンソーの目立てと、丸太の玉切りです。
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他の受講者は土方系おじさんばかり。なんか変な雰囲気・・・
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みんなチェーンソーの扱いには慣れていて、本当のシロートは自分くらいでした。
甚だ心細いっす。
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受講者の中の経験者に伐倒のシュミレーションをしてもらいました。
受け口を掘って、追い口を切って、クサビを打って伐倒・・・早く現場でやってみたいなぁ。
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by akisiko | 2006-04-20 21:06 | | Comments(0)
知り合いの佐々木さんに「遊びにおいで!」と誘われたので、旭川まで行ってきました。
佐々木さんにはつれあいのNが以前からお世話になっていて、私がこちらに来てからも何度か食べ物を送ってもらったのだけれど、お会いするのは初めてでした。

佐々木さん一家は山菜や登山や保存食作りに詳しいので、それら北海道のアソビを伝授してもらうがため、旭川まで3時間半のドライブ。

まずは燻製作り。
燻製は私もだいぶやったので、佐々木さん一家が仕事に出ているあいだにひとりで遊ばせてもらいました。
タコ、ホタテ、豚バラ肉、チーズ、卵をスモークにかけます。
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スモーカーは刑務所で作ったものだということ。
細かいところに気を配って作られていて、とてもいい製品でした。熱源は電熱器。私はいつも炭や薪を使っていたのだけれど、それに比べると格段に楽です。
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燻煙をかけた後の状態。
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出来は上々。特に豚バラのベーコンがうまかったな。
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by akisiko | 2006-04-16 09:54 | | Comments(0)
土曜日はワサビ採りに連れて行ってもらいました。
市街地からほんの10分ほどのところに湧水の沢があって、ワサビが群生しています。
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人に知られていないところらしく、場荒れしていなくてあっという間にたくさん取れてしまいます。
ニホンザリガニがいるのにもびっくりした!こんなに街の近くなのに・・・
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佐々木家のご子息・祐介も一生懸命採る!
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周りにはまだ雪が残っているけれど・・・
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沢は確実に春!写真はザゼンソウ。
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by akisiko | 2006-04-15 10:17 | | Comments(0)
今日の夕飯はお寿司。といっても、出前や手巻き寿司ではありません。

佐々木家のお父さんは、なんと元寿司職人!

わがままを言って雄武産のイクラ・ホタテ・ウニなどを握ってもらいました。
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ものすごい速さで握っていくお父さん。職人の技に、食べる前から感動の嵐!!
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あっという間に10人前ほどが完成。これを5人で食べる贅沢よ・・・
ワサビはもちろん採ってきた野生ものです。
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燻製ベーコンも握ってもらいました。これまた絶品!
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by akisiko | 2006-04-14 10:44 | | Comments(0)

近所の野生動物

本州から北海道に来た人が道沿いにキツネを見ると、大変驚いて写真などを撮るものだが、しばらくすれば物珍しさも色褪せてキツネなんぞは居てあたりまえ、という風になってくるものだという。
かくいう私も物珍し組の一人なのだ。
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庭に遊びに来たキツネ。尻尾に傷があって、ひねた顔をしている。
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鹿もまた、山に行けばうじゃうじゃいるという感じなのだが、ついつい足を止めて見てしまう。そうすると向こうもこちらを観察して、お互い目を合わせて動かない。
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オオワシに関しては、こんなに至近距離で見られることはめったにないのでうれしい。体長1m、翼開長2mを超える、王者の風格を持つ猛禽類。
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by akisiko | 2006-04-09 21:52 | | Comments(0)

〈旧三月十一日〉 流氷

今年は雄武町に流氷が接岸しない年であった。流氷が来ないというのは珍しいことらしい。
あの白い海原の風景が見られなくて残念だなぁと思っていたら、この時期になって流氷の残骸が流れ着いてきた。
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氷塊は波にもまれて丸くなり、波打ち際で汚れている。
長旅に疲れきっているのかい?オツカレサマ。
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by akisiko | 2006-04-08 22:48 | | Comments(1)
先日、用事があってまた北見に行ってきた。(大型免許交付のため。無事取得!)
例によって、棚が充実したあの本屋へ立ち寄る。
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「アイヌ文化の基礎知識」

アイヌ民族博物館 監修 (草風館)

北海道に住み始めて日が経っていないのにえらそうなことを書くようだけれども、土地の人々の暮しの知恵や慣習を見ていると、どうも他の日本国内の田舎に比べて奥深さがないように感じる。確かに漁師には漁師の、農家には農家の、北海道に生きるにおいて必要な知恵があるのだろうけれども、それには理屈ではない絶対的な「知慧」が見えないような気がするのだ。
それはやはり、ここに住む人の大多数が本州から来たヤマト民族の末裔であり、北海道では短い歴史しか持っていないからであろうか。

北海道には先住民族がいた。
彼らには先土器時代から続く長い歴史があり、厳しく豊かな大地に息づく深い知慧や信仰を持っていた。
しかし現在、その民族の文化はそれほど多く残されていない。というより、ほぼ絶滅したというほうが正しいかもしれない。
それには多数の原因があって、私がここに書けるほど単純なものではないのだが、そのひとつには彼らは文字を持たない民であり、口頭で文化継承するのを常としていたからだという。
一度失われたら、二度と取り戻せない方法で古代から伝えられてきたのだ。

「私たちは耳で聞いたことを、すぐノートに書きつけますが、昔の人たちは全部その場で覚えてしまわなければなりませんでした。その代わり、知識というのはすべて頭に入っていて、いつでも取り出せるようになっているわけです。
(中略)
アイヌのおじいさんやおばあさんに話を聞くと、その物覚えのいいこと、博識なことにいつでも驚かされます。それは忘れてしまったら二度と取り戻せないという気持ちで、いつでも物事に接してきたからです。」

私はこの地で、表面的には現代の生活スタイルを持ち、大量消費社会の一部に所属しながら生きている。
しかし根源的な命がこの土地にある限り、先人の知慧や信仰やあるいは大自然をいつも心のどこかに感じて、それに依存して生きてみたい。

それには、この本に書かれていることを情報として読んだところで何にもならないのだが、文字を持つ民としての私は、そうせざるを得ない。
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by akisiko | 2006-04-07 15:57 | | Comments(0)