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蝉時雨と午後の光

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雲一つなく晴れた空、すがすがしい初夏の風、残雪の山脈。
今年もまたこの季節がやってきた。
期待を胸に、川へと向かう。
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いよいよ君の出番だ。
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5月下旬の森は、みずみずしい新緑に包まれて、すべてが輝いてみえる。
そしてあたりを包むのはセミの鳴き声。

午前中は投げども投げども全く反応のなかった渓。
魚はいったいどこにいるの?っていうくらい、なしのつぶて。

しかし正午近くになって、魚が上を向く条件が整ったのだろうか。
打って変わって水面上のセミフライに飛び出し始める鱒たち。
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青い淵の中から、急に黒い影が浮き上がってきてフライを銜えて反転する。

空振りも多かった。
まだ水面の餌を捕食するのにためらいがあるのか、フライに疑惑を感じているのか。

そして、ずしっとした重みも手に感じることもできた。
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by akisiko | 2016-05-29 20:35 | | Comments(0)

盛期へ

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雪代の水位が落ち着き、このカディスのスーパーハッチが終息するころ。
それがドライフライの盛期の始まり。
…というのが、近所の川を私なりに観察した所見なのだけれど。実際はどうなのか、知らん。
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ちょっと時間があるときに近所の川で遊んでみる。
これも陽が長くなってきたこの時期だからこそ。

河畔には例のカディスがまだぶんぶん飛びまわっているから、攻略はドライより水面下で。

セッジのウェットに小さめのガン玉を一つ。
そいつを流れの緩いプールのヒラキなどに流し込んだ時にアタリは集中した。

テイクと同時にリールを逆転させ、「おッ?」と思わせる。
けれど、手元に寄せれば35クラス。
サイズに見合わぬそのパワー。

大物とはやっぱり出会えず。技術が未熟すぎるからです。

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by akisiko | 2016-05-26 21:58 | | Comments(2)

緑水の鱒たち

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ランニングラインをリトリーブする左手に、ガツンとくる手ごたえ。ロッドを立てると力強く振動する竿先。
その感触を求めて、今季初のフローターを出艇。
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サイズはミドルクラス。
しかしながらそれは、夏に向かって上がってゆく季節のエネルギーを、はち切れんばかりに詰め込んだ鱒たち。
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パンパンに肥えた、コンディションの良いニジマスがひっきりなしに竿を曲げる。
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18尾釣ったところでフライがヘタって交換。その後42尾目まで釣ったフライがこちら。
もはやフライなんて何でもよく、動いているものなら喰ってしまうという状況。

たまにはこういう大釣りにもあたります。
パタゴニアでのこの動画を見たら、どうにも湖で引っ張って釣りたくなっちゃって、家を出たわけです。

でもやっぱりパタゴニアは別格。行ってみたいなあ…

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by akisiko | 2016-05-22 22:37 | | Comments(0)
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山仕事も始まって、しばらく肉体労働の日々。ちょっと疲れがたまってきたタイミング。ふいに一息つけることになった日曜日。
山河に行ってエネルギー補充しなくちゃ。

まずは下流域のアメマス。
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じわーっという渋いアタリ。サイズは小さ目。アメマスシーズンも、もう終わりなのかな。
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砂地にはハマボウフウの新芽が。少し採集して味わうことにした。
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一転、山に向かってニジを探しに。
見つけたのは今が旬の山の幸。
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産卵に参加しない若ニジたちが、竿先を震わせてくれた。
腹がパンパンになるくらい餌を食べていた。ニジマスにとっても食欲の季節かな。しっかり食って大きくなれよ。

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by akisiko | 2016-04-24 18:37 | | Comments(0)
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茶色い雪解け水が川幅いっぱいに広がる頃が、下りアメマスの季節。
今年はすこし前からフライング気味に川へ出かけていて、彼らが下ってくるのを待っていたのだけれど、やっとそのタイミングに出会うことができた。
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アタリは単発。ポツっと釣れたかと思うとまた沈黙。
40から50というサイズが3本。
ずいぶん長いこと同じ場所で投げ続け、西風とウェーディングで体の芯まで冷え切った。
もう止め時かと思ったけど、ちょっと気を入れなおす。
それまで結んでいた黒から、アメマスの好物チャートリュースに変えたとたん65良型どすん。
続けてブルーバックの元気のいいヤツがフライをひったくる。
Beulahの7番スイッチは気持ちよく曲がる。でも魚に負けない。すばらしい。

ここで満足して納竿。

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別の日のことだけれど、この春初の恵みを見つけた。
今年は季節の進行がすこし早めのようだ。
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カップラーメンに入れて、山の中で食う。旨い。

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by akisiko | 2016-04-16 18:04 | | Comments(0)

融雪と土の匂い

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少し足を延ばして、山のほうに。
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by akisiko | 2016-04-13 20:09 | | Comments(0)
「俺たちは、あの時のヒカリ」…今回の釣り旅に向けて、仲間のOが名付けた名前。

ヒカリとは、これから海へと下る、まだ小さなヤマメのこと。海で回遊生活をすると大きく成長し、サクラマスと名前を変える。そして産卵のために生まれた川へと帰る。

俺たち3人は北里大学水産学部の同級生。
このたび数年ぶりに再会して、東北を釣ろうということになった。
だいぶ前から連絡し合い、釣り人特有の妄想と憧れと無駄な薀蓄を交えながら、あれこれと計画を練ってきた。
そして、本州の川ではキャッチする難易度の高い、サクラマスを狙おうということになった。

三陸での学生時代はいわばヒカリ。
大学を卒業してから俺たちは社会という外洋に出た。一人は東京で、一人は宮城で、そして私は北海道で生きている。
その3人が再び東北を目指す。まるで育った三陸の川に回帰するかのように。
果たして俺たちはサクラマスになれるのだろうか?
…というのがこのタイトルに込められた思いだ。
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金曜の夜に都内で働くOをピックアップしてそのまま東北道を北上。
宮城のヒカリ、Nの家に着いたのが翌0時。
久しぶりの再会と遠足前の興奮で3人とも浮かれ気味だけど、子供たちが寝ているのでひそひそ話で翌日の作戦やら他愛のないことやらを話し合う。
2.5時間の仮眠ののち、4時に川へ向けて出発!
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Nが探してくれたとっておきの川で、思い思いのスタイルで釣り始める。
適度な水量、適度な川幅、3人がばらけて入るにもちょうどいいサイズのポイント。
Nは調査釣行時に、自身でも初めてのサクラマスをここで釣っている。
期待は高まるばかりだけれど、この釣りはそう甘いものではない。

気が付けば3時間もの間、腰まで水に浸かりながら竿を振り続けていた。
東北の春は思いのほか寒くて、体の芯から冷えてしまった。

旨い味噌ラーメンで体を温めたのち、ポイントを変えて再び川に立つ。
バンクのえぐれはドン深。手持ちのなかで一番重いティップを付けて送り込む。
すると、グンッと止まるような当たり。竿を立てるとグングンと返答がきた。
「きたァァァァァ!!」
思い切り叫んで仲間を呼ぶ私。遠くから走って来る仲間2人。
しかし魚が水面に上がってきたとき、高まっていたテンションが一気に緩んだ。
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笑うしかない展開だけれど、何もないよりはずっといいか。

その後、ポイントをいくつか見て回り、夕マズメは朝イチのポイントで勝負することに。
根気でひたすら川と向き合う。一人だったらとっくにあきらめているころだけれど、みんなの背中を見ていると、俺ももうちょっと頑張るか、となる。

そしてプライムタイム。上流で釣っていたOから突如鋭い声。
「喰ったァッ!」
しかし直後に嘆声。
強いバイトの直後に水面に躍り上がった魚体は紛れもなくサクラマスで、一瞬の手ごたえののちに針から逃れたようだ。

チャンスは目の前にある。
長い時間アタリも何もないと、釣りが雑になる。途切れそうになる集中力を再び手繰り寄せて投げ続ける。
3人ともくたくたのへろへろだけれど、最後の最後まで川に立ちこんだ。
やっぱりこの釣りは甘くない。そしてノーフィッシュのまま終わる。
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N宅でおいしい夕食をいただき、長く、楽しく、一喜一憂な一日を終える。
友とも酒を飲みながら語り合いたいし、子供たちとも話をしたいのだが、なにせ2.5時間の睡眠時間に対して13時間の釣り。
もはや目を開けているのもやっとな状態。朦朧としつつ布団に倒れる。

…そして翌朝4.5時間の睡眠の後、再び出発。
辺りはまだ暗い、眠い、なんだか体が痛い。
意識はまだ昨日の夜にとどまっているけれど、それを引きずりあげて遊びモードにシフトアップする。
ここまで魂を燃やして遊べば悔いはないのだが、やっぱり目当ての魚が見たい!

再びあの川のあのポイント。もうここは3人で攻め尽くして、魚がいるならどこなのか、わかっている。
あとはフライと魚が出会う瞬間を待つために、キャストをし続ける。

川辺が明るくなってしばらくたち、朝マズメも終わろうかというとき、最上流で釣っていたNからの雄叫び。
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地元であり、我々のガイドであり、2週間前にもキャッチした辣腕であり、なにより我らが仲間のNが釣った!
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凄まじい迫力の魚体。
これこそ、太平洋を旅して再び生まれた東北の川に戻ってきた魚なのだ。
そう思うと、俺たちなんてまだまだじゃないか。
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わたしたちは、竿を放りあげる勢いで喜んだ。
なにせ目標は「3人で1尾」だったのだ。
それほどまでに手にすることが限られる魚、サクラマス。
わたしたちの手中に、その魚が横たわった。


その後、私とOはヒットを目指してひたすらにキャストを繰り返した。
川の流れとともに時間が過ぎる。
世知辛い日本社会に生きる俺たちは、それぞれの生活拠点と生活様式を持ちながら、この日の釣りを待ちわびてきた。
この川に立って一緒に釣りをする時間というのは、一瞬つかんでは落ちてゆく砂のようなものかもしれない。
だからこそ、最後まであきらめないでキャストし続ける。

タイムリミットが来て竿をたたんだ時は疲労困憊だった。
3人とも限界まで遊んだ2日間だった。
俺とOのふたりも、やることはやりつくしたという気持ちでいっぱいだった。

たった2日の母川回帰ののち、ふたたび世間の荒波に戻ってゆく3尾のヒカリたち。
(うち1尾ははぐれものだけど)

また遡上しようよ。
そしてひとときの夢をみよう。


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by akisiko | 2016-04-03 20:00 | | Comments(2)

東京湾の表と裏

昨年、十勝まで釣りに来たあいつ。
おじさん2人で十勝の鱒を追っかけてはしゃいだのだが、今回はわたしがゲストとなってボートシーバスに案内してもらうことになった。
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持つべきものは友だなあ。
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この時期のシーバスはベイトを活発に追い回している。常夜灯周りのポイントに到着すると、水面はボイルがボコボコと沸き立っていた。
そして開始3投目でファーストフィッシュ。そして新竿のスイッチロッドに入魂も果たした。初めての獲物が東京湾のスズキだなんて、なかなか幸せな竿だと思う。

ボートからのキャスティングに慣れるのに少々時間がかかり、この釣りの肝である明暗部の境目を狙うコツを理解するのにしばらくかかったけど、高活性の魚たちはガンガンとフライにバイトし、一時はどこに投げてもヒットするフィーバー状態に。
スイッチ7番からシングル6番に持ち替えて、その引き味を十分に楽しんだ。


それにしても、夜の東京湾は昼の現実性を失った異空間だ。
黒い水面の上には横浜の夜景。通り過ぎてゆくコンビナート、巨大タンカー、発電所。
それらの湾港施設は、普段は知る由もない東京の、いや日本社会の裏側。ああ、日本ってこういう風に動いているんだ、とふと気付くところがある。

そしてその工業社会の数十センチ隣。タンカーや常夜灯や排水口のその下で、スズキは夜な夜な激しい補食活動を繰り返している。都市のど真ん中にありながら誰も目にしない場所で、豊かな生態系がうごめいている。

これはちょっと価値観が変わるというか、東京を見る視点が増えてしまう体験だった。

あいつが見せたかったのは、これなんだ。
そうだろ?
東京の表と裏。さて、どちらが表でどちらが裏なのか。
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友が作ってくれたかっこいいショートムービーはこちらから

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by akisiko | 2016-03-30 10:33 | | Comments(2)

旅の楽しみ

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大都会に生きる友人と、東京湾に生きるネイティブ=スズキを狙うこととなった。
北海道を発つまであと1日。急いでフライを作成。
EPミノーはこのところワカサギパターンでなじみがあるので、タイイングにもハードルが低い。
色気をつけるためにトッピングにバックテイルをあしらってみたが、果たして。
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時期的にバチパターンも必要とのこと。ガーグラーにはゾンカーをつけて対応。現物サイズに合わせるには現場でカット。
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それから、その友人と東北に向かってもう一人の親友と合流し、サクラマスを追い求める。
東北シーマのための黒いウェット。
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というわけで、大人のおもちゃ箱が満たされた。

旅は…
いちばん楽しいのは、行く前に準備したり調べたりすること、
次は、帰ってから写真を整理したりして余韻に浸ること、
三番目に旅をしている最中である。

いま、その友人二人と妄想混じりの計画を立てている最中で、ああでもないこうでもないと楽しんでいるところだ。

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by akisiko | 2016-03-17 23:56 | | Comments(0)
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日の光に映えて輝くあの美しさは、写真じゃぜんぜん伝わらないのだな。
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by akisiko | 2016-03-12 21:38 | | Comments(4)