カテゴリ:NZ〈2015〉( 11 )

4月6日
旅が終わりに近づいている。
今日はクライストチャーチまで230㎞の道をゆっくりと走る。
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やむを得ず宿を決めた割には快適に過ごせた丘の上ホテルにお別れ。
あまりに怪しさいっぱいなので、Nと「管理人のオババはお化けなんじゃないか」とか、「日本に帰って調べたらそんなホテル存在しなかったりして」なんて冗談を言い合っていた。
オババのほうも東洋人の夫婦が4泊もしていくので訝しがっていたに違いない。
でもとっても優しく接してくれた。
オババの英語はかなり訛りがきつくて、わたしの拙いヒアリング能力ではコミュニケーションがかなり困難だった。
そんなわけで必要最低限のやり取りをするのがやっとだったけれど、それがなければもっと話をしてみたかった。

Hokitikaを出て国道を走り始めると、あっという間に距離を稼いでしまう。
制限時速100㎞/hで、しかも信号なんかないのだから。
控えめに90㎞くらいにアクセルを踏み、後続の車が来たら譲るようにして景色を楽しんだ。

今日の天気予報では西海岸は再び雨。しかもHokitikaはHeavy rainだという。
山脈に向かって登り始めるにつれて、どんよりとした雲から雨が落ちてきた。
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冷たい雨で景色も楽しめず、峠の要所Arther's Passで休憩。
にぎわうカフェでコーヒーとおやつ。
NZでブラックコーヒーを頼むときはLong Blackという。
これはエスプレッソをお湯で割ったものらしいけれど、本当か?
Short Blackと言ったらダブルエスプレッソが出てきた。

ついでビジターセンターに寄ってお勉強。
展示室に大変わかりやすい南島の模型があった。
左側がウェストコースト。この急峻な山肌が多雨を生む。
もちろん、水平と垂直の尺度は異なります。
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峠を降りると晴れ間が見えた。
Darfieldで昼食。町は祝日モードで多くの店が閉まっていたが、韓国系のこのお店が開いていた。
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フィッシュ&チップスをテイクアウト。安いけど、Hokitikaのやつのほうがうまかったな。
あとはやっぱり自分で作ったサンドイッチでランチを済ます。
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Christcharchに到着して、お土産などを探す。
市街地中心部は2011年の震災の影響が色濃く残っている。
再建途中の現場もあったが、多くは被害があったまま復興のめどが立たず放置されている印象。
そのかわりに周辺地域に大型の店舗やショッピングモールが建っていて、賑わっている。
車社会のNZではそちらのほうが都合がよいかと思う。
人口34万人という規模の都市としては発展していると感じる。
日本の30万都市とは比較にならない。クライストチャーチは少し離れれば農業地帯、その先は原野だから。
一番近いといえば35万人の旭川市だけれど、周辺町村を合わせた人口で比べたら旭川のほうが人口規模が大きいだろう。
にもかかわらず、町の発展具合というか、勢いみたいなものをクライストチャーチでは感じることができた。
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町の中心地のRe:startは、いわゆる復興商店街。輸送コンテナを店舗に改造したアパレルショップや雑貨屋が並ぶ。
規模は大きくないけれど、なかなかの賑わいを見せている。
目当てはそのなかのScorpio Books。到着した日にも立ち寄った小さな書店。
帰国してから調べたところ、どうやら本店は別な場所にある模様。
とてもいい書店だったので、本店にも行ってみたかった。
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2冊の本を購入。
”A stroll through BROWN TROUT country"
ビニールで包装されていたから、中身を見ずにジャケ買い。
日本に帰ってからのお楽しみにしよう。
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"SOUTH ISLAND TROUT FISHING GUIDE"
こちらの本はニュージーランド到着時に買おうと思っていたのに忘れていた。
南島の川を網羅するガイドブック。
これがあったら今回の旅も変わっていたのか?
もし次回来ることがあったら活躍してもらおう。


その後、スーパーマーケットに再び行って蜂蜜や石鹸などの土産物を買う。
安くて手軽なお土産はスーパーが良い。
夕刻、返却時刻間際にレンタカー会社に行って車を返す。この旅で走った距離は1744㎞だった。

空港近くに予約してあるホテルまで送ってもらって、南島の旅が終わった。
明日は一日かけて北半球に戻る。

※10回にわたって更新したNZ旅日記はこれにて終了です。最後は更新が滞ってしまいました。ご愛読ありがとうございます。



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by akisiko | 2015-04-30 07:00 | NZ〈2015〉 | Comments(0)
朝、Mikonui Riverへ向かう。昨日海岸線を走っていた時に見つけた、手頃な大きさの川。
砂利道を登って入渓地点へと向かうと、そこには先行者と思しき2台の車。
少し下流から入りなおそうとUターンして国道の橋の下に向かった。
しかし昨日は澄んでいた流れは茶色く変わっていた。
しかもNが貴重品入れを宿に忘れてきたのを思い出して、しばらく思案。
一度Hokitikaに戻ることにした。
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宿の前でさて、どこへ行こうかと地図を眺める。事前にリサーチした川はもうネタ切れなのだ。

忘れ物を取りに行っていたNが戻って来るや、「お客さんの中に釣り好きなおじさんがいたよ」と。
ついで現れた小柄な初老の男性。
自己紹介を済ませると、「さて、今日はどこに釣りに行くんだい?」と切り出してくれた。

朝行った川が濁っていたこと、この近辺で知っている川がないことを伝えると、「じゃあ、いいことを教えてあげよう」と。
なんというタイミングで現れた救いの手だろう!
これだから旅は面白い。

ボンネットの上に地図を広げて2人で覗き込み、まずおじさんが指し示したのは昨日おとといと訪れたStyx RiverとArahura Riverだった。
Arahuraはまだ竿を出していなかったから魅力的だったけれど、昨日の雨で増水していることが考えられた。
あの規模の川で増水していたら、フライフィッシングではちょっと太刀打ちできない。

「それならば」と、次なる選択肢を提示してくれるおじさん。どうやら引き出しの数は豊富らしい。
いくつか近場の有望河川を教えてもらうことができた。

フライに関するアドバイスをくれたり、こちらは稚拙な英語なのにかかわらず雑談に応じてくれたりしてとっても優しい紳士的なおじさんだった。
今日が釣りの最終日なんだと言うと、「それなら早く釣りに行かなくちゃ」と我々の出発を促してくれた。
そんなわけでおじさんの素性はわからずじまい。連絡先も交換せずに別れてしまった。
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教えてもらった川に意気揚々と向かう。
またもやすでに釣れた気分になって。
天気もいいし、ちょっと寄り道してHokitika Gorgeを見てみる。
思えばずっと川巡りばかりの日々で、観光らしい観光をせずに終わりそうな旅だ。
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暗い雲霧林を歩いてから現れるのは、晴天に映える青い峡谷。
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遊ぶのも怪我するのも自分次第。日本人も見習ったほうがいい。
最後の2行にはこう書いてあります。
「あなたと、あなたの家族の安全は、自己責任です」
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さて、教えてもらった小さな渓流に降りてみたけれど、残念ながら川岸には真新しい足跡が残されていた。
この川を登ることをあきらめて移動。
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次に向かったのはDuck Creekという湧水の川と、Hokitika River本流との合流点。
おじさん曰く「Duck Creekは釣るに値しないけれど、狙いは合流地点だ」
おとといバラシたのも、スプリングクリークであるMurray Creekとこの本流との出会い付近だったから、そのアイディアは充分理解できた。
本流に車を停めて昼食。ここから2㎞ほど歩いてそのポイントを目指す。

残念なことに合流地点は、それほど魅力的なポイントではなかった。
増水と反乱を繰り返す川では、ポイントの形状はその都度変わる。
流れと流れがぶつかる小さなエリアに丹念にニンフを流してみたけれど反応なし。
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Duck Creekを魚影を探しながら折り返して遡り、魚影らしきものが見えたのはこの浅いフラットなプール。
こんな流れの緩い場所のど真ん中で、微動だにせず定位しているヤツはやる気がないに違いない。
それでも身を低くしてチャレンジしてみる。沈木かと見紛うその影は2つ。
フライをフェザントテイル#16一本にしてインパクトを少なく。
魚の上流にキャストしフライが魚の目の前に流れてくるころ、影はふと思いついたように動き出し、そのまま向こうに泳いで行ってしまった。

小さなフライを見て逃げていっているようにしか思えないが、あるいは私の気配やティペットなどを敏感に感じているのかもしれない。
もう一尾のほうにも投げてみたが結果は同じ。
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天気はいいけれど、結果は出ない。
Duck Creekをあるけど魚には出会えず、さらなる移動を強いられたのは午後も遅い時間。
ここから近くて入渓地点がわかっていてパーミッションが要らないところ=Styx Riverに最後の望みをかける。

先日歩いていない区間をとにかく歩いて魚を探した。
渓流にはいい淵が点在していて水もクリア、光量もある。いれば見えるはず。

しかし好ポイントにも魚影は見つからず、陽も落ちてきて川をあがる時間が来た。
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有終の美を飾りたかったけれどそれも叶わず、釣りの旅が終わるのは寂しかった。
それでも見ず知らずの土地で、行き当たりばったりでやってきたわりにはうまくいったと自負できる旅か。

明日からは帰り道。
一日を費やしてクライストチャーチへ戻る。

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by akisiko | 2015-04-20 17:54 | NZ〈2015〉 | Comments(0)

【NZ旅日記 8/10】La Fontaine

4月4日
朝目覚めたときは霧雨だった天候は、出かける頃には本降りになっていた。
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今日はArahura Riverの本流にいくつもりだった。
天気予報によれば、HokitikaはHeavy rainでときどき雷雨になるかもしれないとのこと。そして午後には晴れるという。
この雨がいったいどういう川の変化をもたらすのか、とりあえずArahuraの入渓地点を見てみることに。
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川はまだ増水も濁りもなかった。相変わらず雨がフロントガラスを叩く。
さて、この状況は釣り的にはチャンスであるはず。
しかし本流は車止めまで行ってもかなりの水量がある大河川だ。
そしてそのすぐ背後には2000m級の山々が雲の中にそびえているはずで、おそらくこれからまとまった降雨になるはず。
そうなったら濁って釣りにならなくなることはもちろん想像できたが、しかし心配なのはそちらではない。
それらの急峻な山肌に降った雨がすべてこの谷に集まったら、この川はどうなるんだろう?
全く想像もできないような大増水になったとしたら、川で遊んでいる私たちはどうなるのか?

なんだか怖くなってきてこの川で釣りをすることをやめた。
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Hokitikaの街に降りれば、前が見えなくなるような豪雨になっていた。
こんな大雨に山のなかで遭遇したら、あるいは遭遇しなくても釣りをしている上流がこんな激しい降水量だったら…

さて、セカンドプランはLa Fontaineという湧水の川だ。
ここHokitikaから70㎞南下したところにある。午前中はドライブを楽しもう。
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街を出てすぐに、行先が明るくなってきた。
法定速度は100km/hだが、1割か2割減くらいのスピードでゆっくり走る。
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途中牛追いに遭遇。国道のど真ん中に走る牛の群れ。のんびりしたお国柄がうらやましい。
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空はすっかり明るくなった。
Harihariの町から右に折れてLa Fontaineの流れに辿り着く。
湧水を集めた流れだが水量は豊かで、背が立たないほどの水深がありそう。
こちらの地域も相当の降雨量があったようだ。ここへ来るまで海岸線を走りながらいくつもの橋を渡ったが、そこから眺める河川のいくつかは増水して濁っていた。
湧水ゆえに雨に強いはずであるこのLa Fontaineにも、雨の影響が多少あるようで少し濁っている。
何か所か流れを渡る橋があってそこから川へアクセスできる。
基本的にパーミッションは必要ないらしい。
湯を沸かし、コーヒーとサンドイッチで腹ごしらえをして、いざ川へ向かう。
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アダムスパラシュートを結び、そのフックゲイプからハリスを伸ばして#16のビードヘッドニンフを結ぶ。
ドライフライはインジケーターの替わり。
水底が暗くて魚をspotできないので、ブラインドで流れを打つ。
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あっけなくフライを吸い込んだのは、小型のブラウン。どうやら濁りが入ったことで活性が上がっているらしい。
サイズはともあれ、今日はやっと魚の顔を見ることができたことに安堵。
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次の魚は目で捉えることができた。
右側から張り出す木の枝の下。
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流れが緩くなって白泡がすこし漂う岸際に、浮いたり沈んだりする黒い影。
冠水した木の枝の下流側というポイントはブラウンは本当に好きなようだ。

フライを#16フェザントテイルに取り替えて、影が浮いてくるタイミングを待つ。
そして魚影を確認して木の枝ギリギリにキャスト。
またもやラッキーキャストが決まった。
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足場が高くて、おまけに岸際は障害物だらけ。ブラウンは分厚い流れに乗ってどんどん下っていってしまう。
今回もひやひやもののファイトだったけれど、Nにランディングネットを託してなんとかネットイン!

55cmとNZでは中型サイズだったけれど、本当にうれしい一尾。
この私に騙されちゃったかわいいヤツ!ありがとう。

有名河川といえど魚影は濃いようで、サイズのほうも中型ばかりではないようだ。
3kg位までの魚がいるということだし、実際びっくりするくらいの大きさの魚が泳いでいるのが見えた。
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その後も何尾かの無垢なブラウンたちが私の竿を曲げてくれた。
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穏やかな風景のなか、のんびり竿を振って過ごす午後。
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通り雨に二重の虹がかかる。
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この旅でずっと手にし続けた道具にも愛着が沸いてきた。
ロッドとリールはおニュー。ディパックのほうは18年も使っている。

…こんな写真が撮れるのも、心に余裕ができたからでしょうか。

日没までみっちりと遊んで、また70㎞の道のりを帰った。
Nも自力で何とか一尾を、と奮闘したけれどおあずけとなってしまった。
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丘の上ホテルに戻ったのは21時ごろ。おなかはペコペコで、すぐに料理を始める。
サマータイムも終盤で、朝明るくなるのが7:30ごろ、夕方は19:30ごろまで明るいから時間がなんだかずれている。
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今夜はフィッシュ&チップスをテイクアウトしてきた。食べたかったんだよね、これ!
魚種を選べるようになっていたので、Blue Codをチョイス。
ミナミアオトラギスという和名で日本ではなじみがないけれど、美味だった。
まあ、魚の味云々より、このファーストフード的な油の味がイイと思うんだけど。
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ブルーチーズの残りとカリフラワーをクリームソースで和えて、簡単な夕食ができあがった。
明日はいよいよ釣りができる最後の日。
どんな最終日となるのか。


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by akisiko | 2015-04-16 06:00 | NZ〈2015〉 | Comments(2)
4月3日
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Hokitika Riverの支流、Styx River。川の規模が手頃で河原は開け、フライフィッシングで釣りやすい川。
大きな岩がゴロゴロしていてザ・渓流という感じ。

トランピングルートの入り口に駐車場があるので、そこに車を置いて川を遡る。
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河原に放牧されている子牛たちは好奇心旺盛で、侵入者の様子を見にくる。
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魚の影を探しながら歩くが見つからない。
2㎞近く歩いたところで、新型のピックアップトラックが停めてあるのに出くわした。
釣り人のものかどうか判断をしかねるところだけれど、その可能性はかなり高いのでこれ以上の遡行をあきらめることに。
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このStyx Riverはどうやら魚影が薄いのではないか。見切って違う川に行くことも考えたけれど、せっかく来たからもう少し探ってみる。
腹ごしらえをしてから、4㎞ほど下流の橋からスタート。
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ここにいなければもうこの川はあきらめよう、と思わされる大場所で、細長い影を発見。
淵の底は砂地。大石から少し離れたところにあるその影はボトム付近でじっと動かない。あるいは石かもしれない。
じっと目を凝らしてわずかな動きや鰭の形を読みとろうとするけれど、それを判別するには淵は少々深く、水の流れも邪魔をした。

ためしにやってみよう。
ティペットの先には、タングステンビードのニンフ#12とトレーラーにはフェザントテイル#16のダブルニンフ。
下流側から姿勢を低くしてアプローチ。
フォルスキャストは、魚に極力ラインを見せないように岸沿いに行う。
ターゲットまでの距離分のラインが伸びたら、最後のバックキャストで方向を変えて魚の上流の「あそこ」に向かって投げる。
「あそこ」を見極めるのは感覚だ。そこに投げれば魚を驚かせず、フライを沈ませながら魚に届けることができるはずの位置。

幸運にもキャストは一発で決まった。私のキャストは腕というより運任せ。

淵の深さは少なく見積もって2m、魚のいる位置でも1.5mはあるから、フライが沈むまではずいぶん時間がかかるはず。
フライが疑惑の影を通り過ぎるころ、それはすうっと横に動いた。

やっぱり魚だったんだ。
でもフライを見て、嫌がって逃げたのかも。昨日とおとといの経験から、そんな動きに見えた。
魚の頭が下流側を向き、フライを吐き出そうと口をパクパクさせているのが見えて、「そうではない、フライを食っている」と気づき、慌てて竿を立てた。

合わせのタイミングが遅れたのは数秒間のことだったと思う。
しかしフライフックはわずかに重さを感じ取った後、すぐに何もない水中に再び解き放たれたらしい。フッキング失敗。

魚は少し動揺した感じで私の視界の見える範囲で泳いでいたが、しだいに淵の深みへと去って行ってしまった。

私のほうはといえば、思わず川砂利のうえに突っ伏してしまった。
朝から長い距離を歩いてやっと見つけた魚なのに。
私が釣ろうとしているサイトニンフィングで、決定的なチャンスだったのに。
そして、今日釣らなければ後がないっていう強迫的な想いが、失望の度合いを増幅させた。

なーんて、もし一人だったらしばらく放心するほどがっかりする失敗だったけれど、幸いにも川辺にはNがいて、私の姿を大笑いしてくれた。
私のほうも大笑いして体裁を取り繕うしかない…!

朝から4時間も魚を探して、結局この1尾だけだったStyxを切り上げることにして移動。

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次なる川はMurray Creekという牧草地を流れる湧水の川。
この川は私有地を流れている区間があるのだが、牧場主には昨日訪ねていって釣りをする許可をもらってある。

狙うのは下流域がよさそうなので、Kokatahi Riverとの合流地点から川に入るつもりだった。
どこから川に降りられるかと橋の上から眺めた流れに、いきなり魚の姿を発見。
これを釣らなきゃどうするの?と決意を固めるが、こちら側の岸はブッシュがらみの崖で、無理矢理降りたとしてもキャストは不可能。

対岸からのアプローチは本流のKokatahi Riverを渡渉する必要がある。
車を河原に乗り入れて駐車。
浅いところを見極めて川幅50m以上の本流を渡り始める。
Nと手をつないで進水するところはさながら入水心中みたいね、などと軽口を叩きつつ、川の流れは思ったほどきつくはなく渡渉成功。

狙う魚は砂利底の何にもない瀬の流心にどっかりと定位している。流れは速からず遅からずといったところ。
システムはやっぱりダブルニンフで、タングステン#12とフェザントテイル#16。
この魚は4回のキャストを許してくれた。4度目に流した時、魚はふっと横に動いて、今度は迷わずにフッキングが決まった。

見て下さい、この腰の引けた体勢…
この魚はどうしても獲らなくちゃならないっていう気持ちはプラスに働くかもしれないけれど、バラしちゃいけないとネガティブに考えてしまったらいけない。
守りに入ってしまう。
これでは魚のなすがまま。
下流の冠水した柳に潜られ、一度は引っ張り出すことに成功して下流への誘導を試みたけれど、フック強度を気にして遠慮しているうちに再び潜られて、今度はラインブレイク。

まさに悪夢のような4連続バラシで、このときは苦笑いしかできなかった…
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その後、Murray Creekを遡る。
美しい水草が繁茂する川面は楽園の風景だったけれど、魚を見つけることはできず。
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帰り道は本流に魚影を探しながら歩く。
一尾見つけるものの、ストーキングに失敗して姿を消された。

だいぶ雲行きが怪しくなってきた。明日はいよいよ雨なのだろうか。
釣り旅はこれで終わってしまうんだろうか。初日にしか釣ってないのに…
旅に出るまえは「一尾顔が見れればいい」なんて謙虚なことを言っていたのに、釣り人っていうのはそんなこと忘れてしまう。どこまでも強欲なのだ。
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すっかり疲れて宿にたどり着き、今夜も夕食はパスタとサラダ。でもおいしい。
今夜はほかのお客さんも来ていて、きっとほかの宿が見つからなくてここに来たのだよ、とNと話す。
客がいても静かなこの宿は本当に居心地がいい。

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by akisiko | 2015-04-15 06:00 | NZ〈2015〉 | Comments(0)

【NZ旅日記 6/10】Hokitika

4月2日
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荷物をまとめてLake Brunner Country Motel & Holiday Parkをでる。
ふと立ち寄って決めた宿だったけれど、居心地が良くて4泊もしてしまった。
私たちが滞在している間にはほかのお客が少なくて、とても静かだったのが何よりよかった。
前述したように設備は最低限でシンプルだけれど、不便なことはない。wifiは24時間で5ドル。1日だけ使用した。
Lake Brunnerの湖畔にある小さな集落・Moanaは別荘地のような雰囲気だった。
この宿は集落から少し離れたところにあったけれど、町の中には別のHoliday Parkが1軒にホテルが一軒、レストランが一軒、あとはボートハーバーと列車の駅がある。
それから幹線沿いにガソリンスタンド兼雑貨屋が一つあって、少しの食料ならば売っている。
パンなどを買い足す私たちには強い味方だった。
ここが閉まっていたら、ガソリンも食料もGreymouthまで買いにいかなければならない。

Moanaの周辺には釣るべき川が多くあって、アクセスも1時間以内と近い。
どうせなら期間中ずっとここでもいいくらいだったのだけれど、せっかくの旅だし今日は移動。

目的地はHokitikaという沿岸の街で、ここから2時間と遠くはない。
そこで午前中を釣りにあてる。
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時間があまりないので、場所がわかっていてアクセスが容易なところがいい。
向かったのは上流部で桃源郷を見たCrooked River。
偵察した橋からアクセスすることに。
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やはり魚は多い。ひとつの淵の中に数尾見つけることができるけれども、やっぱり神経質で勝負させてもらえない。
そして荒い渓相、高巻こうと思えば次第に密度が濃くなる雲霧林。
ヤブ漕ぎの時間ばかり長くなって遡行スピードが落ちてきたので、この区間をあきらめ、一つ下の橋に移動。
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雲はしだいに低くなって、ついに細かい雨が降り出した。
サイトフィッシングには悪条件。どんなに目をこらしても見えない瀬は飛ばして、淵に向かう。
魚影の濃いこの川、そこにははたして数尾のブラウンが待っているのだが、やはりフライを投げるとぷいっといなくなってしまう。
いったい何がいけないのか、どうやったら相手をしてもらえるのか、わからないまま時刻は正午になる。

今日も魚を手にできないのは心残りだけれど、気持ちを釣りから旅行モードに切り替えてGreymouthへ向かう。

街へ降りてスーパーマーケットへ向かうと、駐車場はほとんど満車でひっきりなしに車が入ってくる。
今日は木曜日だけれど、すでにイースターの連休に入っているようだ。

少し勝手がわかってきたスーパーマーケットで以下の品々を購入。

トマト カリフラワー レタス 
キウィ リンゴ
ミートソース缶詰
パスタソース
ソーセージ ハム
インスタントスープ
ブルーチーズ
ショートパスタ
ポテトチップス
ワイン
コーヒー
マヨネーズ
しめて70NZD

キウィフルーツは中国原産のマタタビの一種を、ニュージーランドで品種改良したものだそう。
買ったのはゴールデンキウィという品種だったけれど、とてもおいしかった。

それから釣具屋に立ち寄り、これから向かうHokitika周辺の地形図を一冊買う。
店員のお兄さんから、Hokitikaの川の情報を少しもらう。
Crooked Riverの魚たちはとても神経質だったと言ったら、わかるよ、みたいなかんじでひとしきり笑ったあと、神経質じゃない魚もいるし釣る人は釣ってるぜみたいなことを言っていた。

Greymouthから海岸沿いを南下して、ほどなくHokitikaの街に着く。
Greymouthとおなじくらいの街の規模だが、こちらのほうが活気がある。
空港があることもあって氷河やトレッキングといった観光の拠点になっているようで、ホリデイシーズンである今、特ににぎわっているようだ。

i-SITEという観光インフォメーションセンターにいって宿泊地の情報をもらう。
いくつかあるHoliday Parkを回るが、安いキャビンはどこも空いていない。
最後に訪れたのはなんだか流行ってなさそうな、SEA VIEW LODGE
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なんだか古めかしくて薄暗い。
ホリデイシーズンでにぎわう町を後目に、ほかの客は誰もいないみたい。
おばあさんが一人で運営している模様。
なんだか村上春樹の小説にでも出てきそうな雰囲気で、私は一目で気に入ってしまった。
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Holiday Parkではなく普通のホテルだが、共同キッチンやダイニングルームがついているから自炊も安心。
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調度品がいちいち古めかしくて面白い。
ダブルもツインも同じ値段で、一人45NZD。
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海岸段丘の上にあるから海が一望。憧れのオーシャンビューか。
私たちはこのロッジを勝手に「丘の上ホテル」と名づけた。

それにしてもなぜほかの客がいないのか?
何か訳アリなのか?あのおばあさん、ちょっと怖いよね、などと勝手なことを思いつつ、今日の宿が決まったことに安堵。

夕方、付近の川を偵察して一日が終わる。
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夕食はいつもパスタ。
スーパーで買った生ソーセージが最高。つまみに買ったブルーチーズも、カリフラワーも非常に美味。
これまでのところ、軽食を買い食いしているものの、外食は一切していない。

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by akisiko | 2015-04-14 06:00 | NZ〈2015〉 | Comments(2)
4月1日
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目覚めたときに立ち込めていた朝霧は、その上空は快晴であることを約束していた。

天気予報では、今週の土曜日には再び西海岸にまとまった雨が来ると伝えている。
もし予報が当たって、しかも川に大増水をもたらすような大雨であったとしたら、釣りができる日は限られてくる。
土曜日まで、今日を含めて3日。もう3日しかないのか!
その間になんとか一尾、いいサイズのを釣りたい。すこし焦る。
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車を走らせてHaupiri Riverへ。
ちなみにレンタカーは日産の1500㏄セダン。走行距離120,000㎞でボディはボコボコ。どうやら日本の中古車みたいなんだけど…

宿で聞いていた農家を訪ねて、川への通行許可をもらう。
片言の英語を話す私にいぶかしげな表情だったけれど、近くの川での釣りについて詳しく教えてくれた。
「お前はどういう釣りがしたいんだ?」と聞かれて返答に困ってしまう。
「イージーに釣りたいのか、チャレンジングな釣りがしたいのか」と助け舟を出してくれたので、
「イージーなほう」と答えた。とにかく一尾手にしたかったから…

イージーコースはHaupiri Riverに流れ込む湧水の川。
チャレンジコースはそのスプリングクリークが合流する付近だが、魚影は濃いとのこと。

有益な情報を得てすでに釣ったに気なり、意気揚々と牧草地の間の砂利道を走る。
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道が荒れ始めたので車を停めて歩きはじめる。
冠水した砂利道を越えるとHaupiri Riverに出た。タンニンが濃く、茶色い流れだ。
そしてすぐにスプリングクリークの合流が見つかる。
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川辺には水草が繁茂し、その間には透きとおった水が大量に流れる。
あの山に降った雨が伏流水となってこの近くから湧き出しているのだろう。
西海岸の平地には、必ずこんな湧水の川がある模様。
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河原にミントが群生していて、その中を歩くとさわやかな香りが流れた。

注意して川に魚を探しながら遡ってゆくと、すぐ近くの岸のえぐれに泳ぐ影を見つけた。

魚は3尾。
一尾はすでに私たちの姿におびえているのか、あるいはつい最近一度釣られていじけているのか、藻の影にじっと潜んで動かない。
他の2尾は並んで泳いで、ときおり大きく横に動いて流れる餌を捕っている様子。
サイズはどちらも60cm前後といったところか。
イージーコースといえど透明な流れは魚からこちらの姿が見えやすいし、魚体も大きいので侮れない。

姿勢を低くして草影に隠れるようにし、片方に狙いを定める。
近距離のキャストはフォルスキャストなし。下流側に必要な距離のラインを流しておく。それを上流に打ち返すように1回でキャスト。

幸運にもキャストは成功し、鱒の上流1mほどにフライが落ちる。
フライはすぐに流れ始める。もちろん小さなニンフは見えないけれど想像する。
魚はそれに応えるように少しだけ浮き上がる。
竿を立てるとグンッと重みがかかった。
してやったり。
しかしそれからがいけなかった。
糸が切れたのだと思ったけれどもそうではなく、仕掛けを確かめてみると#18のか細いフックが伸びていた。
北海道では太軸の大きなフックばかり使っているので、そのつもりで強い力をかけすぎたのだ。
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だいぶがっかりしたけれど、景色が良ければ気分が立ち直るのも早い。
午後からはHaupiri Riverの本流のほうや、さらにその親となるAhaura River、それから深い谷を流れる小さな支流を見て回る。
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あちこち歩き回ったのだけれど、それから魚を見つけることはできなかった。
夕刻、もう一度スプリングクリークへと戻って魚の影を探したけれど、見えるところに出てきてくれるようなお人好しな魚はいなかった。
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たっぷりと遊んだ充実感はあるのだけれど、魚が釣れなかったのはやっぱり物足りない。
一日一回のチャンス、それを獲ることができない悔しさが残る。

Moana周辺にはまだまだ行ってみたい川があるのだけれど、今日でもう4泊目だし、そろそろ食材を買い足さなければならないし、気分を変えるためにも明日は移動することにする。



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by akisiko | 2015-04-13 06:00 | NZ〈2015〉 | Comments(2)
3月31日
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おととい見たときは増水していたCrooked River、もう大丈夫かもしれない。
行き先目指して揚々と出かける、気持ちの良い朝だ。
天気も安定してきた。

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上流域に向かう農道のゲートには南京錠がかかっている。
近くの農家に通れるかどうか聞いたところ、カギのありかを教えてくれた。
この先にはトランピング(トレッキング)ルートがあるため、基本的には誰にでもオープンになっているみたい。
とはいえ、私有地だし農薬も撒いているので、遊ぶ人は自己責任で、というところか。
ちなみに1080という農薬、賛否両論の模様。

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農道は森の中を抜ける林道になり、2㎞ほどさかのぼったところで車止めになる。
樹々のあいだから、すばらしい渓相が見えて心が躍る。
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濃い森林を抱える深い谷から、ガラスのような青い川が走っている。
まるで(釣りの)DVDの風景みたい!とはNの談。
それは決して大げさではなく、むしろ真実にきわめて近いのだが。
あまりに美しい渓流の景色のなかに身を置くことだけで幸せを感じてしまう。

川を凝視しながら少し歩く。
川底に長細い影を見つける。あれは…しばらく眺めていると少しだけ左右に動く。魚だ。
よく見るとあっちにも…ここから見るだけで3尾の鱒をSpotできる。
しかもでかい。どれも60クラスだろう。
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岩陰に隠れるようにして身をかがめ、はやる気持ちを抑えて竿を継ぐ。

魚の位置を確認する。身をかがめたままで下流方向に移動する。
キャスト位置からは魚の姿は見えない。
2回キャストしても反応はない。魚が見える位置まで戻ると、すでに影はいなかった。

長い深瀬に何尾もの鱒を発見したのだが、どれも同じように2キャスト目にはスッといなくなってしまう。
魚から見えない位置に忍び寄り、1キャスト目で自信のあるアプローチができたと思っても、フライが流れるころにはゆっくりと魚は逃げていってしまう、なんてこともあった。
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魚はいるのになすすべがない。
夢中になって魚を追いかけ、気が付けば正午になっていて、川辺で腹ごしらえをすることに。
リンゴ、茹で卵、それに朝作ったサンドイッチが定番のお弁当となった。
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川をさかのぼっていくと急に渓相が荒くなって大岩の小滝が現れ、そしてゴルジュ(峡谷)に変わった。
沢沿いについているトランピングルートに一度上がって少し上流に歩いてから、再び谷へアプローチする。
山の中は鬱蒼と茂った雲霧林。巨大なシダ植物やコケ、しぼれるほどの水分を含んだ黒い土。そんな密度の濃い生命のジャングルを歩く。
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川へ降りると、そこは桃源郷のような場所だった。
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まるで形容しがたい、完璧な情景。
おまけにあいかわらず鱒がうようよいる。

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深い淵の中を縦横に泳ぎ回る鱒たち。
重いタングステンビードのニンフと、トレーラーには小さなフェザントテイルを結んでキャスト。
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ニンフをしっかりと沈めるには相応のドリフト距離が必要で、しかもゴルジュの岩の上からではキャスト位置が限られる。
どうしてもフライラインが魚の頭上の水面を叩いてしまうのだが、どうしたわけか、この淵の鱒に限ってはそれに逃げてしまうことがなく、相変わらず自由に泳いでいるのであった。

深い淵に沈んでいるであろうニンフはもちろん目視では見えないが、フライラインの位置から想像する。
それが鱒の横を通ったあたりで魚の動きは急に変わり、ついでフライを吐き出そうと口をパクパクさせているのが見えた。

竿を立てるとそれはしっかりと曲がり、水中では魚が驚いて暴れまわる。

しかし高い岩の上に立っていた私は、魚を掛けた後のことまで考えていなかった。切り立った大岩からは川まで降りられるところがない。
あたふたとしているうちに魚は流木が絡んだ岩の下に逃げ込んでしまい、ラインブレイク。


せっかく掛けた一尾だったのに、あっという間にその感触を失ってしまった。
どうやっても釣れないじゃないかっていうことがあまりに明確にわかってしまって、思わず笑い出してしまった。

結局この日はこの一尾だけが唯一の反応。
でも、夢のような場所だった。自分たちだけの桃源郷を見つけた気分になった。
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帰り道、おととい下見した橋からCrooked riverをのぞいてみると、まるで違う川のように澄みきっていた。


野山に毒を撒く国 1080をめぐる論争

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by akisiko | 2015-04-12 07:00 | NZ〈2015〉 | Comments(0)
3月30日
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今日もサンドイッチで一日がスタート。疲れているのだろうか、少し寝坊気味。
キャビンの宿泊客は私たち以外に誰もいない。気兼ねなくキッチンが使える。
宿のおやじさんに今日の天気を聞くと、ゆっくりと回復するとのこと。

さて、今日の行先は宿のすぐ裏を流れるArnold Riverにした。
Lake Brunnerから流れ出すために、雨の影響を受けないのではないかというのがその理由。
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そして公認アクセスポイントであるAngler Accessも、流程のなかに数か所あるみたい。つまりは川に入りやすいということ。
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朝イチのAngler Accessに車を止めて歩き出し、支流のMolly Creekに出会ったところでいきなり魚影を発見。
鉄橋から川を眺めていたら見つけてしまった。
さっそく竿をつないで狙ってみる。ティペットの先に結んだのは、北海道で使っている#12のカーブドシャンクに巻いたフェザントテイル。
なぜこのフライを選んだのか、今ではよくわからない。
NZ用にたくさんのフライを巻いて準備してきたのにそれらは使わなかった。
自信と実績はあるけれど、この国では役に立つのかどうか全くわからないものをわざわざ選んだ。

数キャスト目。フライラインは不自然な動きをして魚が針を咥えたことを私に伝え、竿を立てると水中の魚がぐねぐねと暴れた。
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記念すべきニュージーランドでの一尾目があっけなく手の中に納まった。
50cmを超えるくらいだろうか。
痩せていることから推測するに、どうやらいじめられ過ぎている個体のようだけれど一尾は一尾、一期一会だ。
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本流のArnold Riverまで支流を伝って下る。視界が開けると、河岸までジャングルが覆い繁った茶色い流れが現れた。
トラウトを狙う川とは思えないような、熱帯の国を思わせる風景。
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なんという豊穣の森。正直なことを言うと、圧倒された。
栄養と湿度がたっぶりで、冷たい霧が流れるようなその霧雨林は、ベネズエラのメリダやハワイ島のヒロを思い起こさせた。
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河床は浅くて、藻がびっしりと生えている。水温、水位、水量が安定していることがわかる。
川を歩いていると、ときおり水面が波立って鱒が逃げていくのがわかる。
魚影はとても濃いようだ。
水はタンニンを含んだ茶色で、河床が暗い色をしているために魚をspot(目視で見つけること)するのは難しい。
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浅いとはいっても少し立ちこめば水深はウェーダーを超え、岸際は倒木や湿地で遡行ができない。
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昼食を食べて、他のアクセスポイントに移動することに。
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しだいに雨雲は去って明るくなってゆく川を眺める。時折にわか雨がやってきて、雨具を叩く。
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やっぱり川通しには歩けなくて、河岸のジャングルを漕いで歩く。
竿が振れるくらいの開けたスペースを見つけると、毛バリを投げてみる。
柳が冠水したようなところにはまず魚がいてドキドキさせられるが、簡単に釣れるわけではない。
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やっと一尾、45cmの若い鱒を捕えることができた。何度もジャンプをする、元気がよい鱒だった。

そして夕刻を迎え、今夜もLake Brunnerの同じ宿に泊まることにした。
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またもや客がいないキッチンにて夕食。

今日は実釣初日にしてニュージーランドでの初めての魚を釣った。気が楽になった。
半年前からあれこれと調べ物をして、見たことのない土地について心配しながらここまで来たのだ。
あーやれやれ、ほっとした。

明日からまた釣ってやるぞと意気込むが、この後苦悩の日々が続くことを私はまだ知らない…

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by akisiko | 2015-04-11 07:00 | NZ〈2015〉 | Comments(0)

【NZ旅日記 2/10】Moana

3月29日
共同キッチンでサンドイッチを作って朝食に食べ、残りはお弁当用にビニール袋に包む。
この後、このサンドイッチ作りが毎朝の習慣になった。

荷物からウェーダーや釣り道具を引っ張り出し、車移動と釣りに適したスタイルにパッキングしなおしてからSpringfieldを出発。
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途中寄り道しながらのんびりと西海岸を目指す。
宿の人にお勧めしてもらったキャッスル・ヒルで少し歩く。ロッククライマーが多く訪れるそう。
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島を南北に貫くSouthern Alpsには暗い雲がかかっている。予報では西海岸は大雨だ。

峠にある登山の拠点、Arther's Passlに着く頃には、フロントガラスを冷たい雨が叩いていた。

分水嶺を超えると森林が濃くなりシダ植物が目立つようになった。
島の西側は海岸線のすぐ近くまでサザンアルプスが迫っている。
そしてその山々は急峻で、海岸から十数キロに1500m級の山脈が連なる、といった具合。
タスマン海を越えて湿度をたっぷり含んだ偏西風がその山脈にぶつかるため、ウェストコーストは多雨地域になっている。
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ハイウェイ73を右に折れてLake Brunner方面に。
まず釣りをしてみたいのはこの湖の近くに流れる川たちだ。
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最初に訪れたCrooked Riverは残念ながら濁りと増水。
今日は釣りにならなそう。
これがどのくらいの降雨量がもたらした結果なのか、そして何日くらいで水が引くものなのか、全く見当がつかないけれど、平水よりはだいぶ多いことは流れの強さから見てとれる。
西海岸の川は勾配がきついために濁りがとれるのも水が引けるのも早いと聞くけれど、明日一日くらいはダメなんじゃないかと判断。
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橋から川を眺めていたら、車に追われる羊の群れ。

次はこんな時のために逃げ場の湧水の川、Bruce Creekへ。
農場を通って行くので土地の持ち主に許可を得なければならないのだけれど、近くの家は留守。
困ったな、と右往左往していたら犬を散歩させている爺さんに出会った。
この川で釣りがしたいんだけれど、どうやって行けばいいんですか?と地図を見せながら聞いたら、道順を教えてくれてどうぞ通りなさいってやさしく言ってくれた。
どうやら地主さんだったみたい。
初めての通行許可がやさしい人で良かった。
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農道を走って行って辿り着いたBruce Creekだけれど、なんと、まっ茶色。透明度30cmくらい。
泥の濁りではなく、タンニンの色だ。
はて、困ったな。雨天時の保険の川のつもりだったのに。
いつもこんな様子なのか、上流に行けば澄んでいるのか、それとも違う川に来てしまっているのか、なんだか自信が持てないまま雨足も強くなってきてしまったので撤収。

雨の中、あちこち走り回っていたら正午も過ぎてしまった。
このあたりの川を回るにはLake Brunner湖畔にあるMoanaという町が近くて都合がよさそうなので、ここで宿を探すことに。
この宿のキャビンに泊まることにする。シャワー・トイレ・キッチン共同、ベッドはあるけれど布団はない。持参した寝袋使用だ。
一部屋62NZD。
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必要最低限の設備しかないけれど、清潔で快適。

宿も決まって心配事が一つ減った。
今日は釣りをあきらめて、明日釣るべき川を探しに再び出かける。

生の情報収集をしようとGreymouthの街まで降りていったけれど、あいにく今日は日曜日で店などはすべてしまっている。
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折り返してHaupiri Riverへ。
Lake Haupiriから流れ出すHaupiri Riverはタンニンでコーラ色。驚くほど黒い川だけれど、そのことはすでに調査済み。
目当ては山から流れ出す透明なほうのHaupiri River。
黒と白の二つのHaupiri Riverが合流して薄茶色になっているはずの地点にかかる橋から川を眺めてみるけれど、やはりここも増水。

さてさて…。明日行く川が決まらないけれど、今日はもうタイムアップ。空は明るいが時刻は19時。もう帰ろう。

宿に着いたのは8時少し前。あたりは薄暗くなっている。
今日も疲れたなあ…とルームキーを出そうとしたら、ポケットに入れてあったはずのキーがない!!
どうやらあちこちで車を乗り降りしているときに、ズボンから落とした模様。
がっくりときたけれど、ダメもとで午後の足取りを探すことに。
Greymouthまで38km。
立ち寄った商店やガソリンスタンドに「カギ落としちゃったみたいなんだけれど、落ちてなかった?」と聞いてまわってはうなだれて。
ここになかったらあきらめようと、日中休憩した海岸へ。
奇跡的にも車を止めた地点でキーを発見。
あー、よかった―。キーの紛失を宿に言ったら高くつくからね。

再び38㎞の道を宿まで戻って、だいぶ疲れて一日が終了。
明日、どこ行こう?


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by akisiko | 2015-04-10 07:00 | NZ〈2015〉 | Comments(4)
3月28日
朝6時、ニュージーランド南島、クライストチャーチに到着。
南島最大の都市の空港はこじんまりとしている。ロビーには時間をつぶす若い旅行客が多い。
私たちもレンタカーのオフィスが開く8時まで、観光パンフレットを集めたりして空港内で待つ。

レンタカーはネットで予約してある。
安いレンタカー会社は何軒かあるようだけれども、今回はace rental cars
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空港内にレンタカーやホテルと無料通話できるこんな設備があって、これで空港からレンタカーオフィスまでのピックアップを頼む。
電話の自動応答(~の場合は1を、~の場合は2を押してください、みたいなやつ)が何度聞いても聞き取れなくて、いきなり言語の壁に直面。
近くにいた人にヘルプを求めて無事解決。

さて、レンタカーを借りた後は、クライストチャーチの街に出て今後の旅に必要なものを揃える。

まずは両替。この日は土曜日で、銀行は休み、郵便局は午前中まで。
現地通貨の調達を最優先項目にしたのだが、最初に行ったショッピングモールの中の郵便コーナーはとても外貨両替をしてくれそうなところではなかった。

そこで順番変更。
たまたま近くにあった釣具屋さんでフィッシングライセンスの購入。
ライセンスは高額だけれど、カードで払えるだろうということで現金なしで突入。

旅を終えて思ったことだけれど、食料品、宿、ガソリンスタンドなど、ほとんどの店でクレジットカードが使えるため、
ニュージーランドドルへの換金はほとんどしなくてよいと思う。
おそらく雑貨やコーヒーを買う小銭程度で済む。
今回の旅程でまとまった現金が必要だったのは一件。
例外的にカードに対応していないホテルに泊まったけれど、それでも3泊で270NZDの現金出費で済んだ。

さて、話は釣具屋に戻って。
たまたまたどり着いたのはHunting &Fishing という大型量販店。
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その名の通り、猟銃も売っている。

フィッシングライセンス(非居住者用、1シーズン160NZD)を購入してから、拙い英語で情報を聞き出す。
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曰く、まだドライでもいけるとのことで、おすすめフライを購入していくことに。
ローカルなヤツがいいって条件を付けたら、やっぱり定番のロイヤルウルフを勧められる。
それから黒のディアヘアに青のキラキラしたボディ、パラシュートスタイルのImproved Humpyもいいよ、とのこと。
それからシケーダ(蝉)もまだ可能性があると。
その辺をすこしずつ買うことにした。
マウス(ねずみ)はどう?って聞いたら「イイかもしんない」なんていってたから、ほんとかよと思いつつ、お土産用に購入。

さらに両替ができそうな郵便局の場所を聞き出しておく。
店員の兄ちゃんは店のPCで調べてくれて、google mapを見せながらここだよって教えてくれた。
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続けて食料の買い出しにスーパーマーケットへ。
今後10日ほどは自炊メインの食生活になる。買いすぎても困るので3、4日分を目安にカートに入れてゆく。

野菜や果物は海外でおなじみの目方売り。自分で欲しいだけ袋に入れる。
今までの経験だとそれを自分で秤で量り、バーコードを打ち出すなりしてレジに持っていった。
しかしこの国では勝手が違う模様。売り場に秤がないのでどうするものか不安になりながらレジまで行ったが、レジに秤がついていて、すべてやってくれた。
しかしこれだけ種類があってそれぞれ単価が違う果物、野菜をどうやって識別しているのか、不明。

さて、買い込んだ食料は大体以下の通り。
リンゴ 玉ねぎ トマト レタス きゅうり ブロッコリー
マッシュルーム
パン
ショートパスタ
クッキー クラッカー
アンチョビ缶詰 サーモン缶詰
スライスチーズ
インスタントスープ
パスタソース瓶詰
紅茶
塩 コショウ 油
ナッツとドライフルーツ
ビール
ワイン

しめて99ドル。

食料の買い出しの後は両替のために移動。
移動した先もタワー・ジャンクション・メガ・センターという巨大なショッピングモールだった。
この中にある郵便局の窓口で無事に換金ができた。

ついでにモール内のホームセンターを見学。
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ばかでかい。
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さらにたまげたのはドライブスルー式の木材コーナー。
車で乗り入れて自分の車にほしい材を積み、出口で料金を払う。非常に合理的。
そして他の物の物価は高かったのに、木材だけはべらぼうに安かったのが印象的。

土曜日とあってショッピングモール内は人手が多い。
気になった店をのぞきながら初めての街を楽しむけれど、世界中どこでもあるような光景で、あまり異国情緒というものは感じられない。

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さてお次は5万分の1の地形図を探しに。
書店を探しても売っておらず、さらにその書店でどこで売っているかを聞き出してmap worldに辿り着く。
その名の通り、あらゆる地図が売っている。1:50,000の地形図もニュージーランド全土のものがそろっている。
釣りに行く予定の地域を5冊買ってゆく。1冊8.90NZD。
しかしこれも後日気が付いたのだけれど、先の釣り具店でも地形図が売っていた。

クライストチャーチでの準備が午後までかかって、今夜の宿へと走り始める。
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少し走っただけですぐに風景は農業地帯に変わり、広大な放牧地が広がっている。
低く空を覆っていた雲も晴れて、気持ちの良いドライブ。
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郊外のまちDarfieldにて、地域のお祭りに立ち寄る。
出店が出ていたりバンドが演奏していたりして楽しそうな雰囲気が流れている。
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農業の町だけあって、乗馬競技や農業機械の展示をやっている。
上は刈っただけの羊毛の販売場。さまざまな品種の毛が売っている。
さすが羊の国。やっと旅らしくなってきたぞ。
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今日の宿は西へ1時間ほどのSpringfieldというちいさな町のSmylies Accommodation
家庭的で親密な感じのするいい宿だった。
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長い移動距離を終えてホッと一息。夕方だけれどまだ日が高かったので少し町中を散策。
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昨日一夜を過ごした飛行機内では2時間しか寝られず、初日から動きまくったのでとても疲れた。
夕食を作る元気が残っていなかったので、近くのガソリンスタンドで買ったラムのパイとソーセージのパイで済ます。
あとはサラダとインスタントのトマトスープ。

シャワーを浴びて早々に寝てしまった。
明日はいよいよ旅の目的地であるウェストコーストへ。


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by akisiko | 2015-04-08 21:38 | NZ〈2015〉 | Comments(0)