「“林業再生” 最後の挑戦」

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“林業再生” 最後の挑戦 天野礼子著 農文協

天野礼子氏が日本の川の本来の姿を取り戻す活動を行っていて、その著書(「ダムと日本」、「川よ」、「川は生きているか」など)も読んだことがあった。

しかしここ数年の彼女が、林業方面でも研究・活動をしていたということは勉強不足であった。
京都大学が提唱する「森里海連環学」を実践に移しながら、より総合的な日本の自然を見据えた活動を精力的に行っているそうだ。

書店でこの本を見つけ、すぐさま購入した。天野礼子と林業がどう結びつくのか?

本書の内容についてあれこれ書けるほど私はまだ林業に詳しくないので、序文より気になった文章を抜き出してみよう。

 十九歳で釣りを覚えてから今日までの三十四年間、私は年間一〇〇日くらい川を歩いてきた。そして五年くらい前からである、自分には川を見ていた右目の他に左目もあって、どうやら森を見て、その行く末を心配していたのだなと気づいたのは……。

 (前略)私も釣り師なのでわかるのだが、飽きるほど釣ると、数年で目が覚める(中には例外もあるが……)。そして両目が開く。川と魚だけを見ていた右目だけでなく、自分には左目もあって、それは「森を見ていた」ということに気づくのだ。

こうした感性から「森里海連環学」なんてステキな名前の学問が生まれるのであろう。

そして古来の里人が苦労しつつも守ってきた生活と自然とのつながりを、私たちは取りもどす方向に向かうのであろうか。

      *   *   *   *   *   *

しかし、林業界に身を置く立場から見える道は、決して明るくないように思われる。

ネオリベラリズムと科学信仰が台等する現代社会において、「森里海」の重要性を、私たちはどこまで理解できるだろうか?

悲観的ではあるけれど、「森」に携わる仕事をしているからといってそれが正の方向に向かっているのか、負の方向なのか、誰にわかるだろう?

泥濘のような困惑。
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Commented by kbhhかばハハ(わかるかな? at 2007-03-08 22:57 x
お久しぶりです。北海道にいるんですか?
お気に入りに入っていた日本田舎巡礼・・・をクリックしたらここに来てしまった。○○君ですよね?チャベスが嫌いな主婦です。今セントルシアにいます。きれいな写真が一杯だね。健康に注意して暮らしてください。
Commented by akisiko at 2007-03-09 05:43
> kbhhかばハハさん 

ご無沙汰しております!

帰国より早2年。何の因果か、北海道の最果てのような町で林業をやっております。
元気でやっていますよ。少々くたびれ気味ですが・・・

熱帯から見る、極寒の写真はどのように目に映るのでしょうか?

セントルシアの様子、拝見させていただきました。
青い空と熱風がうらやましい!ですが、途上国特有の心配、徒労、ごたごたのあれやこれやは、「もう御免!」でもあり懐かしくもあります。

お体に気をつけてお過ごしください!
Commented at 2007-03-09 08:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tune at 2007-03-10 23:38 x
この前は『あせらず春をまとう』なんて書いたけど、その冬の長さにドミニカまで逃げ出した俺が口に出しちゃいけないよな~!
待ちきれなくなったら本州までサクラを見にくるってわけにもいかないしね。

温暖化ブーム、暖かい冬のせいもあり環境問題に関して色々な人がいろいろなことを言っていますね。
それぞれの人がそれぞれの考えで言っているんだと思うけど、おれは『机上の観念』よりも『体験から得た声』におもしろみを感じます。
釣り場で出会うおっさんの話、食堂のおばちゃんとの会話、子どもの遊んでる姿とかも。いいよね。無条件に。

だから北の地で林業の現場で働く友人の声こそが俺には何よりも響きます。
『誰にわかるだろうか』。そう、誰にもわからんかもしれんね。
ま、でも自分の周りからなんとかしてこうや。って思います。

追伸:『日本民家園』っていったことある?今日行ってきてしびれました。





Commented by akisiko at 2007-03-13 06:16
> Tune 

「温暖化ブーム」・・・なるほどね。
世で騒がれてるのは一過性の村祭り。とっても現代日本的。

仕事で、重機械を使って人工林を更新したり、電気や重油を大量に消費して木材を加工しているのを目の当たりにすると、なんだかむなしくなります。
生活の中でちまちました節約をしているのが、なんにもならないじゃないか!と。
通勤するだけで、毎日10L以上の軽油を使わされているんだぜ。

アル・ゴアは「環境問題は個人のモラルの問題である」と言ったらしい。
その観点で言えば、人間の経済活動にはモラルのかけらも無い、ということになるんじゃないかしら。
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by akisiko | 2007-03-07 21:43 | | Comments(5)