「アイヌ文化の基礎知識」

先日、用事があってまた北見に行ってきた。(大型免許交付のため。無事取得!)
例によって、棚が充実したあの本屋へ立ち寄る。
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「アイヌ文化の基礎知識」

アイヌ民族博物館 監修 (草風館)

北海道に住み始めて日が経っていないのにえらそうなことを書くようだけれども、土地の人々の暮しの知恵や慣習を見ていると、どうも他の日本国内の田舎に比べて奥深さがないように感じる。確かに漁師には漁師の、農家には農家の、北海道に生きるにおいて必要な知恵があるのだろうけれども、それには理屈ではない絶対的な「知慧」が見えないような気がするのだ。
それはやはり、ここに住む人の大多数が本州から来たヤマト民族の末裔であり、北海道では短い歴史しか持っていないからであろうか。

北海道には先住民族がいた。
彼らには先土器時代から続く長い歴史があり、厳しく豊かな大地に息づく深い知慧や信仰を持っていた。
しかし現在、その民族の文化はそれほど多く残されていない。というより、ほぼ絶滅したというほうが正しいかもしれない。
それには多数の原因があって、私がここに書けるほど単純なものではないのだが、そのひとつには彼らは文字を持たない民であり、口頭で文化継承するのを常としていたからだという。
一度失われたら、二度と取り戻せない方法で古代から伝えられてきたのだ。

「私たちは耳で聞いたことを、すぐノートに書きつけますが、昔の人たちは全部その場で覚えてしまわなければなりませんでした。その代わり、知識というのはすべて頭に入っていて、いつでも取り出せるようになっているわけです。
(中略)
アイヌのおじいさんやおばあさんに話を聞くと、その物覚えのいいこと、博識なことにいつでも驚かされます。それは忘れてしまったら二度と取り戻せないという気持ちで、いつでも物事に接してきたからです。」

私はこの地で、表面的には現代の生活スタイルを持ち、大量消費社会の一部に所属しながら生きている。
しかし根源的な命がこの土地にある限り、先人の知慧や信仰やあるいは大自然をいつも心のどこかに感じて、それに依存して生きてみたい。

それには、この本に書かれていることを情報として読んだところで何にもならないのだが、文字を持つ民としての私は、そうせざるを得ない。
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by akisiko | 2006-04-07 15:57 | | Comments(0)