うなぎ

昨年夏には北海道に来てわが家を拠点に一緒に釣りをし、今年春は東京のシーバスと東北のサクラを共に追いかけた、同級生O。
アイツからステキなプレゼントが届いた。
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このところ彼は、ウナギを釣っては無邪気に遊んでいる様子。その獲物である貴重な天然ウナギを、なんと活魚で送ってくれたのだ。
袋詰めのウナギに氷を同梱しクール輸送。酸素補給の錠剤まで入れてくれた。
低温による仮死状態で届く予定だったのだが、残念ながら生きている姿は見られず。
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二ホンウナギは2014年に絶滅危惧種に指定された。希少な種なのだ。

包丁を研ぎなおして、さっそくさばきにかかる。
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「鰻の資源の枯渇が叫ばれて久しいが
その根本はなによりシラスウナギの乱獲。
年に5億本(一部資料による)もの蒲焼きが消費されることは
どう見ても異常。
スーパーに365日並べなきゃいけない法律でもあるのだろうか?
ウナギ屋と言うのは時間がかかる。
鰻を自分で焼くと分かるが
焼くのに時間が掛かる。
その時間に鰻の大切なものが詰まっている。
お金をだして食べるなら
プロが焼いた鰻を食べてほしいなと思う。」
FIELDNOTE 「穴2015」より
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私はスーパーで売られているウナギのかば焼きを買うことはない。
それらは天然のウナギの仔魚を乱獲して養殖されたものであり、購入することによって資源の枯渇は加速するからだ。
さらに、そのほとんどが中国産である。国産と謳われていても、国内で一定期間蓄養されていれば「国産」。
二ホンウナギの仔魚の価格が高騰したため、ヨーロッパウナギや他の世界中の近縁種が乱獲され養殖され日本に輸出されているのが事実。

日本で売られているウナギ、99%が絶滅危惧種。どうなる、土用の丑の日?

ウナギだけではなく、マグロをはじめとした数多くの水産資源を大量に輸入し、そして資源を食いつくしている国。それが私たちの日本。
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教えられた通り、中骨と頭を焼いてたれに入れ濃厚な味を出す。
肝と頭があまりに美味しそうだったのでつまみ食い。
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それでは絶滅危惧種を釣って食べるというのはどうなのだろうか?
Oによれば、関東近郊でも条件のそろっている環境には普通に生息しているということ。
ウナギが川から遡上することができて、住みかと餌が確保できる川。そんな場所を探しながら釣りをしているらしい。
そんな話を聞くと、こんな疑問が浮かび上がる。
ーウナギが身近な生き物だということを、私たちが知らないだけなのではないか?ー

ウナギの減少の原因は
・仔魚の乱獲に依存する非持続的な養殖方法
・生息環境の減少
それに加えて
・私たちの生物としてのウナギに対する意識の欠如
っていうことなのじゃないかな?

もちろん、多くのひとが日常的にウナギを釣って食べるには、あまりにも資源は乏しすぎる。
その資源管理は、先進諸国の環境保護施策を見習って、行政主導で行うべきだと思う。
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さて、ウンチクが長くなりましたが、自家製ウナギのかば焼きが完成。
天然ウナギの味、もちろん極上。
関西風に蒸しをいれずに焼いた身。ふっくら、しっかり、ほろり。さまざまな食感が楽しめる。
焦げる手前まで焼けた皮の香ばしい匂い。たれの焦げた香り。
ごはんにもしっかりと特製のたれをかけて…旨い!

そして、「釣ったものを食べる」っていうのは、釣りの本質にかかわるのではないかと改めて感じる。
普段私が行っている淡水マス類の釣りではキャッチ&リリースがメインだけれど、それはやはり資源量を鑑みてのこと。

でも。
食べることを含めて釣りの楽しみは完結するのではないか。
思えば三陸の学生時代、釣った獲物をオカズにしたりみんなでワイワイと宴の肴にしたりというのは日常であったな。

お金さえ出せばおいしいものが得られるという風潮が、今の社会に浸透していると思う。

自ら苦労して得た獲物、苦労して育てた収穫物のおいしさ。
その原始的な喜びは、きっと人間が生きている喜びに直接つながるはずなのだ。

なんだか急に「食べるための釣り」したくなったな。
そんなことを考えさせてくれた今回の贈り物。Oよ、ありがとう。

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Commented by しまねこ5610 at 2016-07-14 08:36 x
うなぎをさばけるとはっ!! すごいですねえ。
むしょうにうなぎが食いたくなりました。

多摩川の拝島橋(八王子昭島間)の上流に淵が合って、そこで会ったおじさんが夜うなぎを釣りに来てるって言ってました。釣れるらしいです。
釣って居酒屋に持って行ってさばいてもらって食うのだとか。

『食べることを含めて釣りの楽しみは完結するのではないか。』は、まさに同感です。
キャッチアンドストマック。田渕義雄氏も言っております。
最近はやってませんが、
わたしはヤマメや岩魚を持って帰ってきて開いて、塩水に2時間くらい漬けてから一夜干しにしてました。
おいしいです。機会があったらやってみてください。
もうやってそうですけど・・・
Commented by akisiko at 2016-07-14 11:57
>シマネコ5610さん 
ウナギをさばくの、実は初めてだったのですよ。うまくいくか心配だったのですが、割とすんなりできました。

ヤマメ・イワナの一夜干し、滋味があって旨そうですね。管釣りのニジマスを同じように干物にしたことがありますが、これもいい味になります。

なんと、拝島橋付近でウナギが!夜釣りはぶっ込みですかね?なかなか面白いですね。
拝島橋は両親が住んでいるところから近いんですよ。この春に帰省したときにも自転車で出かけて、スカジットキャストの練習をしてました(^-^)
Commented by しまねこ5610 at 2016-07-15 18:19 x
多摩川昭島淵おじさんは、足もとがほぼ垂直に落ちこんでいるので、
投げるのではなく、足もとにボトリとするそうです。 
マユツバ・・・・おまかせします。
Commented by akisiko at 2016-07-15 21:00
>シマネコ5610さん
なるほど。今度上京したときには、その淵を偵察してみたいです。
でも、いちおう遊漁規則には「日の出から日没まで」となっているので、やるとしたら日中勝負かな?
Commented by しまねこ5610 at 2016-07-16 09:26 x
うなぎ話、まだつづけてすみません。

乗らせた舟で、ちょっと調べてみたのですが、
秋川漁協が何年前からは分かりませんが、うなぎの稚魚を放流している様です。
宮崎県から仕入れているみたいですが、素性は詳しく書いてありませんでした。
akisikoさんなら想像がつくかもしれません。
さて、昭島うなぎの正体は?

淵の場所ですが、拝島橋の上流に赤い水道橋があるのをご存知でしょうか?
その水道橋の上流に、昭和用水堰というちょっとした堰があるのですが、その間にあります。
昭島第四小学校の方から用水路が流れ込んでいるすぐ上流です。

ところで、Oさんというご友人はどこでうなぎを釣っているのですか?
Commented by akisiko at 2016-07-16 10:42
>シマネコ5610さん 
ほうほう。宮崎からシラスウナギを取り寄せて放流ということですね。遊漁対象にもウナギと明記されてますね。
放流魚の一部が育っているということでしょうか?
あのあたりの川は、昔と比べてだいぶキレイになったと思います。まだまだ自然が残されている地域です。ウナギが自然繁殖できる(産卵は外洋ですが)環境になるといいです。

O氏のポイントはここではもちろん明かせません。っていうか、知らないんですけどね(笑)
何でも、Google mapを片手に、釣り場探しから楽しんでいるようです。
ポイントの新規開拓も、釣りの大きな楽しみのひとつですね。
Commented by O at 2016-08-08 11:10 x
食べてもらえて何よりやわ!
死んでたのは残念だけど。
ウナギがね、ファストフード化していくのはほんまに許せん。
24時間365日、なんでスーパーに必要なんだろう?
「ご馳走」はご馳走のままで良いんだと思う。
Commented by akisiko at 2016-08-08 12:10
>O 
その節はどうもご馳走さまでした!大変おいしくいただいたよ。ありがとう!

台湾からウナギ仔魚を輸入したり、中国でどんな養殖方法をとられているかもわからないものを輸入したり。
そこまでしなければ維持できないのなら、それは食文化とは言えないよね。
土用の丑の日のスーパーは、ほんと異常。しかも北海道で…
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by akisiko | 2016-07-13 18:00 | | Comments(8)