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夏の終わりと遡上アメマス

8月。秋の産卵を控えて、アメマスが海から遡上してくる。
一度体験したかった、上りアメマスの釣り。太平洋の川へと足を延ばした。
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河口からそう遠くない流れで竿を出すことにする。
雨の影響で水量はやや増水。そしてささ濁り。遡上するための条件はそろっている。

手堅いルースニングの仕掛けを組んでみることにする。
ウェットやアウトリガーなど、もっとスマートな釣り方ができればいいのだけれど、まずは魚の姿が見たい。

ウキ下は一ヒロ強、フライの上15cmくらいにガン玉をかませる。
チャートリュースのゾンカーをフックシャンクに巻きつけたフライをセレクト。
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時折水面に跳ねが見えるので、魚がいることは明らか。
だが、なかなか反応しない。
基本的に遡上して産卵することに全精力をかけている魚たちなので、フライなんぞにかまっている場合ではないのだ。
しつこくしつこく同じポイントにフライを打つ。疑わしきマーカーの動きはすべて聞き合わせを入れる。

1時間キャストし続けて、アタリは1回あるかどうか。
間違えて魚がフライをくわえてくれるのを待つ、忍耐の釣り。
しかし、フッキングした瞬間から動の釣りに変貌する。
海で蓄えられた爆発的なパワーがロッドを曲げる。
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海のエネルギーがみっちりと詰まったボディ。
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リールが逆転音を立てて、ラインが何度も引き出される。5番ロッドでは非力過ぎて頼りない。
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ものすごく楽しい上りアメマスの釣りなのだけれど、やはり産卵前の魚をいたわる気持ちも大切かもしれない。
矛盾しているけれど、彼らがたくさん子孫を残してくれなければ釣りのターゲットが少なくなってしまうのだから。
今日で十分に君たちの生命の力を体感させてもらった。
あとはほっといてやろう。元気な子を産めよ。
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まだ夏の勢いが残る暑い一日だった。
しかしあの空はもう秋の姿。北海道の夏は終りを迎えて、季節がまたひとつ進む。
by akisiko | 2012-08-19 21:39 |